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巡洋艦大淀 利根の発砲 [巡洋艦大淀]

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 静まり返った港内に、山の手方面から 爆音が聞こえ、単発の飛行機が編隊で 飛んできました。  市街地裏山の稜線上に次々と現れた 編隊は、軍港上空を目指して飛んで きました。  小淵氏は、「だいぶ大勢でやってきたな。 どこに出撃していくのだろう。」と作業の手を 休め、出撃していく空の勇士を小手を かざして眺めていました。  最新鋭の単発機のようで、勇ましい爆音が 港内に響き渡りました。見事な編隊飛行で、 港内上空に差し掛かり、伊勢、日向、榛名の 上空を通過して大淀の上空に向かって きました。  すると、突然利根が、編隊の中に高角砲を 撃ち込みました。垂直に近い角度で、2門くらい 発砲したらしく、弾幕が広がりました。  編隊よりだいぶ下で、数機が動揺したよう でしたが、そのままの編隊で飛び続けて いました。  小淵氏は、「味方機に発砲してしまって。」と、 利根に憤然としました。同時に、敵機ではないか というかすかな疑念も生じました。  しかし、他の艦は発砲していませんでした。 陸上でも、発砲はおろか空襲警報のサイレンすら 鳴っていませんでした。軍港の周囲には高角砲 陣地や、防空指揮所があり、敵機が来襲すれば いち早く港内の艦船に通知されるはずでした。  しかし、利根は再び発砲しました。これで、 戦闘配置に向かって駆け出す者、味方機と 思っている者、確認すべく見つめる者、誰もが 一瞬戸惑っていました。  小淵氏は、利根が二度目の発砲をしたとき、 左舷甲板上を全力で疾走していました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男


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