SSブログ

巡洋艦大淀 闘魂の昇華 [巡洋艦大淀]

スポンサーリンク
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});



 敵機との距離2万mで、大淀の主砲が 初弾を発射すると、12秒間隔で速射を し続けました。  大淀得意の先制砲撃でした。この斉射で 数機が撃墜され、編隊が解かれ、四方八方 から突入の構えをとり、矛先が大淀に 向けられました。  左右の高角砲も射程内に突入した敵機に 速射を始め、その間隙を縫って肉迫する 敵機には、25mm機銃が猛然と火を 吐きました。彼我の発する轟音は、 天地にこだまし、激騒は江田島を 覆いました。  幾百となく林立する水柱は、滝つ瀬となり、 絶え間なく艦を洗いました。炸裂する至近弾は、 海底の泥砂を吹き上げ、破片は、艦腹を叩き、 爆波は激しく艦をゆさぶり続けました。  大淀の対空砲火は、あらん限りの猛射で 殺到する敵機に咆哮し、突入を阻止し続けて いました。それは、まさに全乗組員の烈火の ごとき闘魂の昇華でした。  やがて第一波の敵機は去りましたが、その 静寂もすぐに破られ、第二波が来襲し、上空を 覆いつくしました。再び、轟音の世界に没した 江田島湾の大淀周辺は、何百条という水柱が 昇立して、敵機の猛襲が開始されました。  第二波が去り、新手の第三波が来襲すると、 猛烈な襲撃が継続されました。この間断なく 来襲する敵機に、大淀は、ついに直撃弾を 受けました。その1弾は、機銃甲板を貫通し、 烹炊所で炸裂すると、20数名を一瞬で 死傷させました。  それまで整然としていた艦内が、直撃弾で 火災が発生し、清美な艦内は、たちまち 凄惨な修羅場と化しました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男


スポンサーリンク



nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。