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潮、病人を収容 [潮]

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 10月になり、毎日のように補給作業に従事しているので、
当然のごとく、艦内からは他の駆逐艦は何をやっている
のかというボヤキが出てきました。

 他の駆逐艦も遊んでいるわけではありませんでした
(雪風のように、呉でトンボ釣りの訓練をさせられていた
艦もいましたが)。

 ガダルカナル島の戦局は、人間を野獣化させる試みでも
ありました。武器を与えて、食を与えずに突撃させ、疫病と
飢餓で苦しめていました。潮が食料を積んで接近すると、
飢餓に狂った陸兵が殺到しました。そこは、統率のとれた
軍隊ではなく、食を争うハイエナの群れでした。

 食糧の陸揚げが終わり、帰還しようとすると、大発が近づき、
ここにいる病人を野戦病院まで運んでほしいというお願いを
してきました。人情に弱い小西司令官は、見捨てることは
できず、収容することにしました。

 この収容に一時間かかり夜明けまでに哨戒区域きからの脱出は
不可能となりました。薄明かりの中、敵駆逐艦を1隻発見しました。
1対1なら潮が有利ですので、戦うところですが、今は病人を
助ける方が優先するということで、海上を逃げていました。
さらに敵機が接近してきました。

 ここで、歴戦の小西司令官は、潮を敵駆逐艦に向け、砲撃を
開始するという手段に出ています。軽巡洋艦なみの火力を
誇る潮が相手では、アメリカの駆逐艦は劣勢におちいり
ました。しかも、飛行機はどちらが味方かわからなくなり、
迂闊に攻撃できない状態でした。

 アメリカの駆逐艦が逃げる頃には、飛行機も退散しており、
潮も一目散に退避しました。

(追記)
 この時収容した病人は、人間はこんなに痩せるものかと
思えるほど骨と皮ばかりでした。大腿部は、腕と同じ太さで
した。お粥を出しても口もきけないような状態でした。
実は、これでもましな方でした。

 ここにいた病人たちは手を施せば救える人だけを連れて
きており、助かる見込みのない人が島に放置されてい
ました。


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