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天津風、敵機をやり過ごす [天津風]

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 先に進んだ海防艦を追いかけましたが、進路上には艦影を
見つけることはできませんでした。古来より、分散は各個撃破
の対象となるので、極めて不利でした。そこで、無線で、速力を
落とし、合同できるように配慮戴きたいという旨の要望をしました。

 しかし、海防艦からは、合同を急がれたいの返事が来ただけで、
速力を落とす様子がありませんでした。夜になり、波が高くなって
くると、船体が軋み出し応急の艦首が持ちこたえるか心配になって
きました。

 4月6日午前1時、心配の通り、仮設の艦橋最下部の囲い鉄板が
波に流され、休憩室が使用不能となりました。さらに電信機が故障し、
僚艦と通信をすることが不可能となりました。午前7時に、雲の上から
レーダー爆撃を受けるものの、被害はありませんでした。

 午前11時50分に、見張りから、「敵編隊が、まっすぐ向かってくる。
距離10km」という伝令があり、対空戦闘用意の号令はかけたものの、
敵の動静を見守ることにしました。このとき、アメリカ軍の航空機は、
天津風を発見できなかったため、そのまま通り過ぎて行きました。

 しばらくすると、進路上に茶色の煙が数条上がっているのを認め
ました。海防艦の方向なので、胸騒ぎがしてきました。この煙は、
” 天津風、敵機を撃墜“で紹介した海防艦への無慈悲な攻撃の
ためでした。このとき、海防艦は2隻とも撃沈しており、乗員は
全員死亡しています。

(追記)
 天津風は、この時12,7cm主砲を4門装備していましたが、
方位盤がなく一斉射撃はできませんでした。

 方位盤は、大型の望遠鏡で的を狙うと、各砲の指示盤が動き、
主砲を動かしてこの支持盤に合わせると、方向と仰角が調定
される仕組みになっています。

 この方位盤がないため、各主砲の標準機で調整するしかなく、
速力の速い飛行機では、射撃の機会を逃すことになりました。


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