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空母「飛鷹」 先遣隊長の苦労 [空母飛鷹]

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 浅間丸の状況を確認するために、高雄に
便乗した志柿氏が派遣した先遣隊は、
相当な苦労をすることになりました。

 一つめが、高雄の便乗者に、機動部隊の
主計長が乗り込んでいたことでした。浅間丸の
手配は、彼がやったことであり、状況を確認
するために先遣隊を出すとは何事かと露骨に
言ってきました。

 先遣隊の隊長は、中尉であり、階級が上の
主計長に何も言うことができず、苦しい思いを
することになりました。

 呉に着いてからも、苦労を強いられました。
主計長は自分が手配すると言っていたのに、
実際は、毛布は半分もなく、蚊帳も準備されて
いませんでした。先遣隊隊長は、苦労して
できるだけのことをしました。

 そして、浅間丸が見えてきたので、船のことを
頼んで、志柿氏に状況を報告するために、
戻ってきました。ここでも苦労を強いられ
ました。

 志柿氏は、先遣隊長がした一連の苦労を
全く知らないところで、準備不足という報告を
受けました。その瞬間、志柿氏の憤りは極に
達しました。

 志柿氏が怒ったのは、飛鷹の乗員は罪人
ではなく、前線で命がけで奮戦した兵士にも
かかわらず、寝具も充分でないことでした。

 隔離については、機密保持情致し方ない
とはしていますが、忠勇なる下士官に対して
すまないと思ったからでした。

 問題は、準備不足は、目の前にいる先遣
隊長の責任ではなく、司令部にあることです。
一連の苦労をして準備不足を補うべく活動
してから、報告のために戻ってきたにも
かかわらず、謂れのないことで怒られた
ことで、むっとした態度をとりました。

 しかし、先遣隊長は、何も言わずに、呉まで
準備の交渉に出かけていきました。後に苦労
したのに、副長に叱られたとこぼしていました。


紹介書籍:空母「飛鷹」海戦記 「飛鷹」副長の見たマリアナ沖決戦
著者:志柿 謙吉(しがき けんいち)


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