SSブログ

山口多聞 最期 [山口多聞]

スポンサーリンク
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});



 山口少将と、加来艦長は、ウイスキーを
飲みながら語り明かしていました。途中
飛行甲板が賑やかになったことに気づき
ました。窺うと、大勢の乗員がいました。

 山口少将と、加来艦長は、そっとして
おくことにしました。姿を見せれば、
自分たちと運命をともにしかねないと
感じたからでした。乗員は、間もなく
いなくなりました。

 加来艦長は、山口少将と握手を交わすと、
一人自室へ歩いていきました。武人は、首を
とられるのを恥としており、死後に海面に浮かんで
いる遺体を回収されたら死に切れないと感じて
いました。そのため、ロープで、しっかり足元を
結び付けました。

 艦長室から銃声が聞こえました。山口少将も、
「さらば」と瞑目し、拳銃を押し当てて自決
しました。海軍軍人は、最期は自決であり、
溺死することは恥でした。飛龍は、海底に棲む
「わだつみ(海神)」に引き込まれるように
艦首から沈んでいきました。


 最後に飛龍から脱出した萬代機関長付は、
他38名と一緒にカッターで脱出していました。
しかしこの後も苛酷な航海となりました。
15日間漂流し、途中4名が死亡し、アメリカ軍の
飛行艇に発見され、救助されました。

 救助され後、一人が死亡し、アメリカ軍は、
手厚く水葬してくれました。萬代機関長付は、
テキサスのキャンプケネディで終戦を
知らされました。

 萬代機関長付は、このとき、自分たちを
発見してくれた飛行艇の機銃員のコンラッド・
フリーズ氏と、終戦後文通を続ける仲に
なっています。

 フリーズ氏は、ハワイ攻撃の際に、自分が
機銃を浴びせた飯田大尉の遺族を、墓前に
招いて、ともに冥福を祈っています。


紹介書籍:山口多聞 空母「飛龍」と運命を共にした不屈の名指揮官
著者:松田 十刻(まつだ じゅっこく)


スポンサーリンク



nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。