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駆逐艦早潮 最期の一瞬 [駆逐艦早潮]

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 岡本氏は、我々は救助されるのかという
疑問が湧いてきました。

 岡本氏は、日本海の荒海で泳ぎを覚え
育った海の子で、泳ぎには自信がありました。
しかし、終着点のない上に、救助のあてもない
という状況では、話は違ってきました。

 今は、鼻をつままれてもわからいほど暗く、
サメいる魔の海に投げ出され、陸地が
どちらかも見当がつかない状態でした。

 しかも、まだ戦闘は続いており、僚艦に
救助されない限り、助かる方法がありません
でした。

 岡本氏は、これまでの通例からすると、
遭難者が救助されないケースが圧倒的に
多いことを知っていました。こうなると、
開き直るしかないというのが、現実
でした。

 周りにいる早潮乗員は、みんなが
泳いでいるところまで泳ぎ着こう、
死ならばもろともだという一念で、
懸命に足をかいていました。

 しばらくして岡本氏は、気を取り直して、
早潮と艦上に残された人々に最後の
別れをつげるべく、後方を振り返り
ました。

 早潮は、いぜんとして燃え上がっており、
暗黒の海上にその一点だけが明るく大きな
火柱が、立ち上ろうとしていました。

 早潮、最期の一瞬でした。

 早潮は、1937年9月に、国際情勢の危局に
際して、計画起工された陽炎型19隻の内1隻
でした。

 日本海軍最精鋭駆逐艦と称され、大戦勃発と
同時に、早潮の名前のごとく所狭しと、敵を
求めて無尽に駆け巡りました。

 幾多の戦功をたてた早潮もここにいたり、
ついに栄光の幕を閉じ、生涯を終わらんと
していました。まさに感無量でした。


紹介書籍:駆逐艦「神風」電探戦記
著者: 「夕雲」及川幸介、「早潮」岡本辰蔵、「神風」雨ノ宮洋之介


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