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駆逐艦神風 感電の危機 [駆逐艦神風]

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 日々、危機感は、惻々と身にせまって
いましたが、赤道近い南の海は、凪の時は
若草色に輝き、湖のなごやかさで、一体
どこに戦争があるのか、疑わしいくらい
平和に見えました。

 しかし、突然、敵機があらわれ、白波を
蹴立てて、雷跡がせまってきました。

 「総員で見張りをせよ」という通達が
出ていましたが、乗員は非番であっても
甲板でゴロゴロしながら、見張りを
かねていました。全員が、緊迫感に
ヒリヒリしていました。

 しかし、水平線や、空、雪は、一日の内
一刻も同じ姿をしておらず、千変万化
していたので、退屈はしませんでした。

 ことに、マレー半島に接岸する航行の際は、
陸岸の景色、島の形、漁構、ジャンクなど、
見ていて楽しいと感じていました。

 暑いので、居住区にはおらず、甲板で、
雑誌を読んだり、昼寝したり、雑談を
しながら、絶えず海の上に視線を
漂わせていました。夜も同様に
甲板に寝ました。

 こうした中、雨ノ宮氏らは、電探の外板を
外して機器をむき出しにしていました。日中は
もちろん夜でも、灯火管制で入口に毛布を厚く
垂らした室内は高温になりました。しかも、
真空管は内部温度を上昇させました。

 外板を外すのは当然の措置でしたが、
兵器の説明に、「このコンデンサが」と
鉛筆を近づけ、数万ボルトの電圧が、
鉛筆の芯を通して電撃を与える事が
ありました。

 また、電探員も上半身は裸同然でしたので、
裸の肘を、機器に突っ込んで感電する危険も
ありました。電探員は、感電の危険に晒され
ながら、任務をこなしていたと言えます。


紹介書籍:駆逐艦「神風」電探戦記
著者: 「夕雲」及川幸介、「早潮」岡本辰蔵、「神風」雨ノ宮洋之介


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