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巡洋艦大淀 現地民 [巡洋艦大淀]

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 島の反対側にきた小淵氏は、石を 積み上げた堤防で釣りをしている人を 見つけました。  40年配で基地の設営に来ている 軍属のようでした。バケツには、 うなぎのようなものが6匹程おり、 きくとウミヘビということでした。  石垣から、頭を出しているのが数匹 見えました。おかしな形のカニなども いて、水族館の水槽を覗いている ようでした。  時々、現地の子どもが、物欲しそうな 顔つきでついてきました。話しかけても 何も答えませんでしたが、「コンパニー」 と言うと、ニヤッと笑いました。  大人の現地人は、何となくノッソリとして いましたが、子どもたちは敏捷でした。この 子どもたちには、日本名の太郎や次郎などが 付けられているということでした。  椰子の木で覆った丸太小屋の中で、老齢の 現地民が、「タバコ」と手を差し出していました。 仲間が何本かのタバコを渡すと、素早くしまい 込んで、次にやってくる者に同じようにねだって いました。  この島の人達は、派手な色柄の服を着て いました。現地民の中に、色白で整った顔の者も いましたが、それは、スペイン人との混血だと、 下士官が教ええくれました。  すっかり陽焼けした小淵氏らより、はるかに 色白で、「色は黒いが南洋じゃ美人」と 言えそうでした。  島を歩き回っているうちに、またたく間に 時間が過ぎ、早目に桟橋へ戻っていないと、 乗り遅れて、カッターを自分で漕いで帰艦 しなければなりませんでした。  上陸があると、艦内は、椰子の細工や、 パイプ等がはやりました。パイプは、現地の 材料で艦内で制作したもので、こんな楽しみ しかないトラック島泊地なので、艦長も黙認 していました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男


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