SSブログ

巡洋艦大淀 本当の歓び [巡洋艦大淀]

スポンサーリンク
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});



 2月になり、停泊していた軍艦が、 めっきり少なっていきました。大淀は、 離れたところに停泊していたので、 気をつけていないと気づきません でした。  艦内では、時々スコールを利用して、 洗濯が行われました。甲板に帆布を 張り、雨水をためて、洗濯したり体を 洗ったりしました。ちょうど乾季だった ので、時々しか雨は降らず、貴重でした。  それは、艦内での入浴は、10日に 一回くらいですが、上等兵や一等兵の 番になるころには、上がり湯もなく、浴槽の 湯も、ドロドロになっていました。  浴室内の熱気で、汗を拭き取り、わずかな あがり湯の配給で、体をしめらすのが 入浴でした。  週に一度の酒保開きに、艦内で作っている ラムネが配給されました。さらに、月一度、 戦給品としてタバコと羊羹などの菓子が、 配給されました。この量は、下士官も兵も 同じでした。タバコに用がない小淵氏は、 お菓子と交換していました。  ラムネの製造と、戦給品の配布は、小淵氏が 所属している第二分隊の兵曹が行っており、 小淵氏は、手伝いとして呼ばれていました。 手伝いは、何かしらありつける役得があり、 楽しみにしていました。  このように、前線基地での厳しい艦隊勤務の 中でも、楽しいことはかなりありました。苦しみの 中にある些細な楽しみこそが、本当の歓びでした。  ここまでの小淵氏の手記を見ると、下級兵に とって艦隊勤務は苦難のるつぼだと思われますが、 現実には、気の持ちようで、誰もが国家の大目的の ために、自己を滅しての勤務なので、苦難や 試練も前向きに昇華できました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男


スポンサーリンク



nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。