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巡洋艦大淀 上海で仮泊 [巡洋艦大淀]

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 筥崎丸に出会ったのは、上海の東方海域でした。  何の防御も持たない老朽船の筥崎丸が、今まで 無事でいたことは奇跡というべきでした。小淵氏は、 やはり運の強い船というのはあるものだと感じて いました。(筥崎丸は、3月19日に、雷撃を受け、 沈没しています)。  この頃、嵐を避けていた敵機動部隊が、にわかに 活動を開始しはじめました。この通報を受けた艦隊は、 内地までの直線距離は最短の位置まで来ていましたが、 敵機の襲撃を避ける必要がありました。  そこで、日本本土から上海に向かう艦隊のように 見せかけるため、艦隊は反転し、一旦通り過ぎた 上海に向かいました。  午後9時頃、上海の下流に仮泊しました。陸地 からは、20kmも離れており、艦上から遠くにかすかに 中国大陸が眺望でき、街の灯火がほのかに見受けられ ました。  翌日10時頃出港した艦隊は、黄色く濁った海を 北上しました。この時、B29が1機、艦隊上空を通過し、 大陸の方に飛び去りました。それは、日本本土を 空襲し、対空砲火で損傷したので、緊急着陸するの だろうと、観測しました。  翌日も黄海を航行していました。黄色い海面が、 果てしなく続いていました。日没に近い頃、第三 配備法(戦闘配置の当直を解除する司令)が、 伝達されました。  艦隊は、黄海を横切り、朝鮮半島の南西部に 沿って、航行していました。空は、久々に晴れ、 すがすがしい青空が広がっていました。  左手には、陸地を近々と眺めながら、点在する 大小の島々を縫うようにして航行していきました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男


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