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雷、陸戦隊を陸揚げ [雷]

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 砲台の下過ぎるという緊張の時間の中にいましたが、
砲台からの砲撃は一向にありませんでした。気負って
いるのはことらだけで、敵は無人のような沈黙を保って
いました。

 砲台の下を通りすぎても何事なく進んでいました。
右岸は、軍の工路があり、機銃がねらっている殺気を
感じました。一方、左岸は水田が広がり、鍬を手にした
農夫の姿も見えるのんびりした風景でした。

 上流から、海軍の旧式戦艦が2隻近づいてきました。
旧式とはいえ、駆逐艦のかなう相手ではありません
でした。川では、魚雷も使えませんでした。喧嘩腰で、
待ち受けていると、「貴艦の平和なる航海を祈る」と
いう国際信号が届き、唖然として見送っていました。

 敵の海軍は、上海事変は陸軍が起こしているもの
なので、我は関知しないという、日本軍と同じ体質
でした。日本軍も、大陸での戦闘は陸軍の縄張り
なので、海軍は、本来は傍観しているだけでした。

 しかし、海軍が縄張りとしていた上海で、海軍中尉が
惨殺され(大山事件と呼ばれています)たため、逆上
して陸戦隊を送っているというのが実態です。

 雷は、日本郵船の桟橋に横着けし、陸戦隊の揚陸を
行いました。この様子を、アメリカ、イギリス、イタリアの
艦隊が、錨泊したまま、監視していました。

(追記)
 上海は、世界屈指の自由貿易港で、東洋のカサブランカ
とも呼ばれた魔都でした。植民地主義的な各国の権益が
あるので、利権国が勝手に行政を行っていました。

 結果、上海は、謀略とスパイ、あくなき享楽と悪徳の街と
なっていました。


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