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駆逐艦秋月で得た教訓 [駆逐艦秋月]

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 山本氏は、戦傷の跡が生々しい顔をしていたこともあり、
戦訓の担当を命じられました。戦訓で教えるのは、実体験
に基づいた内容でした。山本氏は、駆逐艦秋月で得た教訓
として、罐室での出来事を、3点伝えています。

(1)人間の外気に触れている部分は皮膚だけではなく、
体の奥深くにある肺も外気に触れている箇所である。
熱気にさらされると、外気の影響を最も受けるのは
肺である。

 山本氏は、顔や手が剥離する熱さは記憶にないが、
肺が火事だということは感じていました。

(2)懐中電灯は、蒸気の中では役に立たない。このことは、
実際の場で初めて知り得ており、書物にも教育内容にも
なかった。蒸気密度と、光の到達距離との関係について
は研究すべである。

(3)肺が熱くなって呼吸できなくなり、床の上にあぐらをかいたら、
呼吸が楽になった。蒸気で充満すると空気は下に行くので、
足元の鉄板に顔をつけたらもっと楽になるのではないか。

(3つとも、ビル火災などに遭遇した時に、役立ちそうな教訓です)。

 横須賀にあった機関学校では、コンクリートの特別室を作って、
防毒マスクをつけて中に入れ、蒸気を噴出させて、熱くなったら
飛び出すという実験を行っていました。

 山本氏にとって、駆逐艦秋月の罐室から上甲板まで逃げる
数十秒の苦労は、その後、病院につくまでの数日の苦労に
匹敵すると評しています。

(追記)
 教育現場に身をおいているとはいえ、山本氏が着任した
当時は敵機の襲撃を受けるような時期でした。敵機の機銃で、
生徒の一人が負傷するということが発生しています。

 この頃は、艦の操船より、陸戦の訓練が重視されていました。
その際、戦車に近づきすぎて踏みつけられ死亡するという事故
も起こしています。

 山本氏が、長井分校に着任してから終戦までの4ヶ月で、3人が
死亡、1人負傷でした。教育の場では、今ほど安全が重視されて
いなかったといえます。


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