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駆逐艦五月雨、浅瀬に乗り上げる [駆逐艦五月雨]

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 艦橋に上がった須藤氏は、五月雨が、浅瀬に乗り上げて
いるのを確認しました。佐世保で交代した新艦長は、すぐ
に被害状況を調べるよう命じた後、狭い艦橋内をあっち
こっちに歩き回っていました。

 士官たちは呆然となりながらも、敵前でないことで安心
しており、浅瀬を眺めていました。

 座礁前、見張り要員は浅瀬に近付いていることを報告
していましたが、艦長と当直将校は、以前から見えて
いた不明の艦影にばかり気を取られて、浅瀬の
報告は一顧だにしませんでした。

 海図上このあたりに浅瀬はなかったということもあった
ためですが、五月雨は流されていました。見張り要員は、
重ねて叫んでおり、この時ようやく艦長が反応しましたが、
28ノットで航海していたため手遅れでした。

 28ノットで、珊瑚礁に飛び込んでしまったため後進を
かけても動きもしませんでした。第一罐室から火災と
いう報告うけ、「総員防火」の命令が来ました。罐室
との隔壁にめがけて海水を放水しましたが、湯気
立っていました。

 第一罐室は、衝撃で割れた下甲板から噴き出した重油が
入り、灼熱していた罐に当たって発火したようでした。
五月雨は、風波に動揺を続ける艦の底を岩に食い
込ませたまま、右に傾いていきました。

(追記)
 艦長らが、不明の艦影として注意をしていたのは、
皮肉にも、五月雨と同じように、珊瑚礁の浅瀬に
誘い込まれて、座礁した商船でした。しかも3隻
もいました。この海域は、座礁しやすかったと
いえます。

 見張り要員の報告を無視して座礁というのは、以前
紹介した雷でも同じことをしていますが、どちらも艦長
の罪は重いといえます。


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