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駆逐艦磯風 磯風至近弾を受ける [駆逐艦磯風]

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 上空が静かになり、敵の波状攻撃も一応おさまったと
判断し、再度矢矧への横づけをおこないました。舷側に
舫策した瞬間、敵の急降下爆撃が襲いかかってきました。
艦長から、「急げ」という烈声が飛んできました。

 磯風は大きく右に傾き、回避に移りました。しかし
速力が上がらない上に、取舵一杯にしても舵の効果が
十分でなく、爆弾回避には致命的でした。爆弾は、
右舷側後部への至近弾となりました。

 ものすごい爆発音と衝撃で、井上氏は、毬のように
吹き飛びました。しばらく頭の中が真っ黒になり、
赤い閃光がピカピカと走りました。この時は、
井上氏は、「ついにやられた。死んだのだ」と
思っていました。

 艦内の電灯はボーっと人魂のように消えて、舵取機の
主軸は止まり、室内は真っ黒になりました。井上氏は、
死は苦しい煉獄だと聞いていましたが、案外楽なもの
だと感じていました。こう感じたのは一瞬で、すぐに
現実に立ち返りました。

 状況を確認すると、愕然となりました。磯風は、シリンダが
動かなくなっており、一方向にぐるぐる回りながら走っていま
した。すぐに、舵が故障していると分かり、新人と一緒に修復
に当たりました。

(追記)
 磯風が被弾するきっかけを作ったといえる第二水雷戦隊
司令は、矢矧が沈没後、初霜により救助されていました。

 この司令官は、この後、前田艦長が、磯風を近くの陸に
陸揚げして、砲台として使おうという提案に対し、潜水艦が
出るという理由で却下しています。

 しかし、航空機による爆撃攻撃を行っている海域の海面下に
潜水艦が潜むことはまずあり得ないといえます。実際、この戦闘に
参加した、涼月は、先端を破損したため、後進6ノットしか
出ませんでしたが、無事に佐世保まで、帰還しています。


紹介書籍:駆逐艦磯風と二人の特年兵


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