SSブログ

駆逐艦磯風 艦復元のために [駆逐艦磯風]

スポンサーリンク
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});



 井上氏が艦橋に着いた頃、艦はさらに右に大きく傾きました。
井上氏は艦を救うことにし、真っ暗な居住区に降りて行きま
した。降りてみると、重量物を運んで、艦を復元させようと
いう作業が行われていました。

 井上氏は、機銃弾を引き揚げ、左舷に回しました。次に、
艦で最も重量のある武装である魚雷を、海に投棄する
作業に入りました。

 魚雷を操作する発電機や空気圧縮機などは停止しており、
すべて人力で行うしかありませんでした。

 足場が悪い中で、予備の魚雷を残し、全て投棄したものの、
艦は傾いたままでした。この時、磯風はすべての隔壁を閉じて
いましたが、いつ水圧で、隔壁が破れるか分からない状態でした。

 このような状況でも、乗員は、何とか磯風を救おうという
気概にあふれていました。

 こんな中、艦長付の甲板長の少尉が、自ら調査すると言い、
海に飛び込んで、調査を行いました。結果、「破穴が大きく、
普通の防水では効果がない」というものでした。

 この後、3人の兵(二人は命令で飛び込んでいますが、
一人は、井上氏の同期の機銃兵を支えていた方で、すでに
機銃についていたとき、海の水を大量にかぶっていたので、
濡れたついでと飛び込んでいます。)が海に飛び込み、
毛布でふさぐという作業に当たりました。

(追記)
 この作業はかなり危険なものでした。艦の隔壁が破れれれば、
大量の海水が流れ込むことになるので、この3人は、吸い込ま
れることになります。プールの水を抜く排水口に体を持っていく
ようだとしています。

 特攻を命じられてここまで来ているのに、さらに特攻をしようと
しているようなもので、井上氏は、この3人を、海の三勇士と称号
しています。


紹介書籍:駆逐艦磯風と二人の特年兵


スポンサーリンク



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。