SSブログ

駆逐艦磯風から退艦 [駆逐艦磯風]

スポンサーリンク
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});



 磯風は、洋上を漂流していました。薄暮が迫る中、
1隻の船が近づいてきました。しかし、磯風では
喚声はおろか手を上げる者もおらず、冷めた目で
見ていました。

 井上氏は、近づいてくるのは初霜で、磯風が被弾
するきっかけを作った司令官が、助けに来ていたと
考えていました。磯風の乗員が冷めた目で見ていた
のは、これが理由でした。

 ところが、近づいてきたのは、僚艦の雪風でした。
雪風が磯風に接舷し、渡板をかけてくれました。
負傷者を次々に雪風に移乗させました。この間、
磯風の乗員は一言も発しませんでした。

 井上氏は、崩壊した家から里子に出される気持ち
だったとしています。

 磯風の乗員は、苦悶を眉ににじませ、目は充血していま
した。井上氏は、雪風を見て、矢矧への接舷命令がなければ、
雪風同様今も健在で、任務を全うできたのではないかという
悔しい気持ちが出てきました。

 収容を終えると、雪風は静かに磯風から離れていきました。
既に、第二水雷戦隊から磯風の処分の命令が来ており、
雪風は実行に移しています。

(追記)
 井上氏は、救助命令は第二水雷戦隊司令が出したものかと
していますが、実際乗員救助の命令をしたのは、冬月と涼月の
司令官でした。

 第二水雷戦隊司令官は、矢矧が沈んでから夕刻まで洋上に
いたため指揮をとれなかったので、代理として指揮をして
います。

 雪風は、救助命令を受けた時、大和の乗員救助を行っており、
磯風に来たのは、大和の救助を終えてから来ていることになり
ます。

(もっとも、雪風の寺内艦長は、当初、救助命令には反対して
おり、単艦でも沖縄に向かうとしていました。)


紹介書籍:駆逐艦磯風と二人の特年兵


スポンサーリンク



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。