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硫黄島決戦 防空壕の奇妙な光景 [硫黄島決戦]

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 元山の防空壕には、橋本氏より先に、飛び立って
いない航空兵がいました。しかも、トランプ遊びに
熱中していました。

 これを見た機銃兵の一人は、「こちらは戦している
のに、この人達はバクチしてやがる」と悔しそうに言い
放ちました。この時も、戦艦の艦砲射撃が続いており、
島は振動して悲鳴を上げていました。

 橋本氏にしてみれば、この世の終わりという状況
でしたが、防空壕でトランプに熱中している兵士が
いるとうのは、奇妙な戦場でした。

 航空隊は、飛ぶ飛行機がなければやることがなく、
戦闘はいい骨休みと考えているようでした。

 橋本氏は、消耗品と言われた駆逐艦で3年間過ごし、
その間、一発の砲撃や雷撃で艦と運命を共にする
といいう緊迫感の中で過ごしていました。

 ここにいる兵士の大半は、戦場で過ごしたことがなく、
そのような緊迫感を持つことができないようでした。

 一方で、橋本氏は、駆逐艦と違って、硫黄島の場合、
頑丈な防空壕にいれば、戦艦の砲撃だろうとB29の
爆弾であろうとやられることはないという事実に気が
付きました。

 壕に転がり込んでいれば安全と判断でき、常に
緊迫感を持つ必要はありませんでした。橋本氏は、
この戦場とは思えない光景に、頭を抱え悩むことに
なりました。

(追記)
 橋本氏が悩んでいた時、橋本氏の下で機銃を扱って
いる兵士たちは、飛行隊がトランプに興じているのを見て、
一緒になって、花札や将棋をおっぱじめてしまいました。

 これを見て、橋本氏も、兵隊とは何ぞやという思いが
出てきました。明日の命も知れないという恐怖感の中で、
いかに生きていくかという生きざまを見せつけられたような
気分でした。


紹介書籍:硫黄島決戦―硫黄島「防空砲台」奮戦始末


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