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空母信濃 信濃乗員の不安 [空母信濃]

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 駆逐艦内は、駆逐艦定員に匹敵する遭難者で
あふれていました。駆逐艦は、信濃の艦橋の大きさ
くらいしかなく、ここに定員の倍の人数が埋まって
いるので、艦内は、寿司づめ状態でした。

 電信班班長は、駆逐艦に考慮して体を三つ折りに
して休んでいました。それでも、駆逐艦の乗員は、
露骨に嫌な態度をとっていました。

 継子のような扱いにを受け、この様な体験を
したことがない信濃の乗員には、痛々しさが
漂っていました。

 電信班班長は、駆逐艦の中のことではく、置き去りに
された乗員のことを考えていました。自分が、置き去りに
された乗員の側にいたらどうなっていたであろうかという
ことでした。

 ここで、悩むのは自分の班員が置き去りにされな
かっただろうかということでした。「皆救助されたに
違いない」という希望でもないと落ちつきそうも
ありませんでした。

 駆逐艦は、全速で航行を続けていました。時折、
変針すると、小艦艇だけに、同様が直接腹に響いて
きました。その衝撃が、信濃が魚雷をくらった衝撃と
似ており、不安を引き起こしました。

 駆逐艦の乗員は、何事もなく通常勤務しており、
当直交代の声が聞こえると、信濃に乗っているような
錯覚を引き起こしました。

(追記)
 救助されて、居候のようにしている兵士は、やることが
ないため、余計不安にかられます。しかも、信濃の乗員は、
半数以上が、新人という状況なので、この扱いには対応
しきれないといえます。

 一方で、浜風、磯風、雪風は、共に歴戦の駆逐艦であり、
九死に一生を得るような戦場を渡り歩いていたので、乗員の
練度という点では、信濃の乗員とは比較にならなかったと
いえます。

この違いが、信濃乗員と駆逐艦乗員の間で、温度差を
生じさせる一因になっています。


紹介書籍:沈みゆく「信濃」知られざる撃沈の瞬間  著者:諏訪繁治(すわしげはる)


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