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空母信濃 駆逐艦乗員と信濃乗員の対立 [空母信濃]

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 電信班班長は、目立たぬよう小さくなっていると、
駆逐艦乗員の会話が聞こえてきました。

 「士官の話によると、うち(浜風)の艦長や雪風、
磯風艦長が信濃の阿部艦長と、回航について
打ち合わせをしたとき、うちの艦長が、夜間は
潜水艦の攻撃が危険なので未明の出港を
主張したのに、阿部艦長が航空機の方が
危険だと言って、夜間出撃となったと
言うことだ」

 「信濃の艦長なんかにゃ、潜水艦の雷撃がどんな
恐ろしいかわかりゃーしねんだ」「でも今度という今度は、
潜水艦の恐ろしさを、肝に銘じたことだろうよ。竜宮城で
後悔してるだろう」「あれじゃー。助かったとしても生きちゃ
いらめえな」というものでした。

 遭難者にもあからさまに聞こえる大声で言っていた
ので、電信班班長は、彼らを睨みつけました。同時に
口惜しく、涙が出るほど煮えくり返りました。

 「信濃の艦長は、最後まで艦首に在って、びくとも
しなかった。そして、艦と運命をともにしたことを貴様たちは
知らないのか」という思いでした。信濃が浮かんでいたら
こんなことは言わせなかったと考えていました。

 電信班班長は、今度遭難者を迎えることがあれば
今日のような感情を味わわせるようなことはしない」と
誓いました。

(追記)
 上記の会話の通り、駆逐艦乗員と信濃乗員の間には、
明らかに、互いに対して侮蔑する感情がありました。

 駆逐艦乗員の感想は、上記の駆逐艦乗員の会話の
通りであり、磯風にいた井上氏も、信濃の撃沈は阿部艦長の
自業自得と言っています。

 駆逐艦の乗員は、信濃護衛の2日前に、横須賀に滞在
していましたが、巨艦を鼻にかけ駆逐艦を使いパシリと
侮るようなところが見られたとしており、信濃の乗員に
いい印象を持っていなかったとしています。


紹介書籍:沈みゆく「信濃」知られざる撃沈の瞬間  著者:諏訪繁治(すわしげはる)


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