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山口多聞 第二次攻撃隊、飛龍に帰還 [山口多聞]

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 橋本大尉は、友永大尉の機体を探しましたが、
見つかりませんでした。その時、空母で、褐色の
煙が噴きあがりました。橋本大尉は、
「よもや・・・」と嫌な予感がしました。

 橋本大尉の中隊は、被弾はしていましたが、
撃墜されずに集合地点に戻ってきていました。
このまま待機していたら、敵の戦闘機にやられる
ことになるので、帰投を命じました。

 橋本大尉がふと自分の服を見ると、両脇に
穴が空いており、ワイシャツまで焦げて
いました。午後零時30分、橋本大尉の
中隊が飛龍に帰還し、10分で収容が
終わりました。

 最後尾の機体に乗っていた搭乗員が、負傷した
足を引きずりながら、橋本大尉のところにやって
きました。この搭乗員は、友永大尉の機体が、
魚雷を抱えたまま火を噴き、なおも突進して
いくのを見たとしています。

 この搭乗員は、この後、グラマンを戦闘をして、
撃退後に友永大尉の機体を探したが、機影は
なく自爆と思われる褐色の煙が空母にあがるのを
見ており、体当たりしたものと思われるとしています。

 第二次攻撃で帰還できたのは、艦上攻撃機5機と
零戦3機で、半数に当たる残り8機は帰ってきません
でした。この中には、零戦隊長の森茂大尉も含まれて
いました。

 橋本大尉は、艦橋に上がって、山口少将や、加来
艦長に戦況を報告しました。報告を受けた山口少将は、
南雲長官や、幕僚が移乗した軽巡洋艦長良に、
「エンタープライズ型1隻を雷撃。魚雷二本命中
確認。」と送っています。

 飛龍が第二次攻撃隊を収容した5分後、
エンタープライズとホーネットから攻撃隊が
発進していました。


紹介書籍:山口多聞 空母「飛龍」と運命を共にした不屈の名指揮官
著者:松田 十刻(まつだ じゅっこく)


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