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山口多聞 山口少将と加来艦長の覚悟 [山口多聞]

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 山口少将から退艦を促された幕僚は、
「司令官が先です。お願いしますから
早くしてください。」と悲痛な声で
懇願しました。

 これに対し、山口少将は、「馬鹿なことを
言うものじゃない。司令官は、部下を見届け
なくてはならん。司令官が、先にのこのこと
退艦などしたら末代までの恥になる。君たちが
先だ。」として、頑として聞き入れませんでした。

 さらに、「今は一刻を争う。戦いはこれからだ。
君たちには、試練が待ち受けていると思うが、
ここで死なせるわけにはいかん。これは司令官の
命令だ。直ちに退艦してくれ。」と、語気を強めて
決然と言い放ちました。

 幕僚は、山口少将と加来艦長の覚悟を知り、
「司令官、艦長、退艦してください。」と泣きながら
訴えました。加来艦長は、「それはできない。
わかってくれ。これが艦長としての最後の
ご奉公だ。」となぐさめるように告げました。

 「司令官だけでも」と悲壮な形相が山口少将の
周りに詰め寄りました。司令官が、艦と運命を共にする
義理はありませんでした。南雲長官は、赤城を離れ、
長良に移っていました。

 本来なら、艦長も艦と運命を共にすべきでは
ないかもしれないとも考えていました。イギリス提督の
先例に倣ってのことでしたが、悪弊だと唱えるものは
海軍内にもいました。

 軍艦は、作れることできましたが、人は
作ることはできませんでした。艦と運命を
共にする必要が本当にあるのかと、幕僚たちは
問いかけていました。


紹介書籍:山口多聞 空母「飛龍」と運命を共にした不屈の名指揮官
著者:松田 十刻(まつだ じゅっこく)


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