SSブログ

駆逐艦夕雲 応急処置 [駆逐艦夕雲]

スポンサーリンク
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});



 軍医代行を命じられた仲間は、救急箱を
開け中身を確認すると、あまりの内容物の
豊富さに驚きました。

 「持てる国は、救急箱まで豪勢なもの
ですね。」と感心しながら、慣れない
手付きで、治療が始められました。

 「これしきの傷、大したことはない。
今治療してやるから、すぐ治る。元気を
出せい。」と励ましながら、治療して
いました。

 及川氏も手伝いましたが、目をそむけたく
なるような、惨めさでした。それでも応急
治療を一段落して、ボートは、快調に
動いていました。

 空は、一片の雲もなく、晴れ上がり、生還を
祝福するにふさわしい好天でした。しかし、
前方には、島影らしきものが、まったく
見えませんでした。舵を操作していた
乗員は、焦り気味になっていました。

 及川氏は、「途中大休止を3回も挟んで
いるが、6ノットで航行しているので、
60海里は走っている。数時間で島が
見えるだろう。」と励ましました。

 及川氏は、それまでエンジンと燃料が
持つか、確認しました。すると、
「燃料は、3分の1ほどしか
消費しておらず、この調子なら、
後一昼夜は平気です。エンジンに
無茶はさせません。」という
返事でした。

 この返事を聞いた及川氏は安心し、
後の心配は重傷者でした。応急処置は
しているものの、気休めにしかならず、
ブインまで保つのか心配になって
きました。

 しかし、及川氏らに、これ以上、施す
ことがありませんでした。残るは本人の
鍛え上げられた軍人精神の頑強さに
期待するしかありませんでした。


紹介書籍:駆逐艦「神風」電探戦記
著者: 「夕雲」及川幸介、「早霜」岡本辰蔵、「神風」雨ノ宮洋之介


スポンサーリンク



nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。