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駆逐艦夕雲 ルーズベルト大統領からの豪勢な贈り物 [駆逐艦夕雲]

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 及川氏が、重傷者の心配をしていると、
軍医代行が、「昨日見つけた中身不明の
筒を確認しましょう。」と言い出しました。

 及川氏は、色々あって筒の存在を
忘れていました。時限爆弾ではないか
という、物騒な意見もあり、
謎のままでした。

 早速中身を確認することにしました。
筒は、直径20cm、長さ80cmほどで、
赤みがかっており、20cm砲の薬筐に
似ていました。

 慎重な面持ちで、フタを開けると、
中身は食糧でした。それまで、目を
開けることも苦痛に感じていた
仲間たちも、頭を上げてうれしそうに
顔をほころばせました。

 艇内には、たちまち歓声があがりました。
物資豊富を誇る、敵さんの充実ぶりは、
実に至れり尽くせりでした。

 筒の中から出てきた食糧は、ビスケット、
缶詰、ソーセージ、チョコレート、チーズなど、
驚くほどでした。

 及川氏は、「ルーズベルト大統領からの
豪勢な贈り物が無事に届いたぞ。よろしく
お礼を言ってくれ。」と洒落てみたかったと
しています。

 そばで見ていた仲間たちも、皆感心して、
「アメさん。贅沢な携行食を持っていますね。」
と感嘆していました。

 早速、この贈り物を、仲間たちに分配する
ことにしました。遭難以来頼の食糧配布でした
(敵からのパンは、一口にもみたないもの
でした)。

 量の制限をする必要はあり、満足するのは
程遠いものでしたが、36時間ぶりの胃袋の
作業再開となりました。ところが、せっかくの
貴重な食糧も、食道を通りませんでした。

 水分不足のため、喉に詰まって、苦しんで
いました。


紹介書籍:駆逐艦「神風」電探戦記
著者: 「夕雲」及川幸介、「早霜」岡本辰蔵、「神風」雨ノ宮洋之介


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