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駆逐艦夕雲 もてなし [駆逐艦夕雲]

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 カヌーで及川氏のボートまで漕いできた
男から、「夕雲は全員玉砕と聞いていた。
それが、ボートを分捕って、帰られたとは、
よかったですね。」と言われ、水の他に、
タバコやバナナ、釣った黒鯛の刺し身などを
持ってきてくれました。

 カヌーから手を指しのべるその目には、
涙さえ浮かべていました。受け取る
及川氏らも、万感の涙を浮かべ
ました。

 カヌーから来た人達は、艇内の重傷者を
見て、「よくここまで帰ってこられましたね」と、
拳で頬を拭っていました。

 及川氏は、半数は重傷者なので、応急
治療をしていただきたいと申し出ました。
しかし、ここには軍医はいないので、
ここから2時間くらい行ったところにある
ブインまで回航してくださいということでした。

 武装した1名がボートの移乗し、ブインまで
案内してくれるということになりました。そして、
一刻も早く出発するように、急き立ててきました。

 ちょっと前まで、砲台により28個の肉塊が
すっ飛ぶ場面を想像していましたが、味方
砲台の手厚いもてなしに涙を浮かべ、
ごちそうとも言えるバナナや刺し身を、
皆で分け合って、舌鼓を打ちました。

 予想もしていなかった、味方兵のもてなしに、
仲間たちは、気力が蘇り、司令部桟橋に向けて
発進することにしました。

 砲台員にお礼の言葉を述べると、
「武運長久をお祈りしています」と、
別れの挨拶を返してくれました。

 しかし、ここでエンジンを起動した直後、
突然、仲間たちに事故が発生しました。


紹介書籍:駆逐艦「神風」電探戦記
著者: 「夕雲」及川幸介、「早霜」岡本辰蔵、「神風」雨ノ宮洋之介


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