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駆逐艦早潮 揚陸作戦開始 [駆逐艦早潮]

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 墨を流したような真っ黒な夜でした。
海面は穏やかで、駆逐艦は、舷側が
低いので、乗艇には、それほどの
難儀はありませんでした。

 しかし、兵隊たちの携行品は、限度
いっぱいまで身につけているので、
雪だるまのような格好になって
いました。

 しかも、命より大事な小銃を、しっかり
握っていました。陸兵さんも、やかましく
怒鳴り散らされるうち、全員が無事
乗艇を終えたようでした。

 岡本氏は、第一内火艇の指揮をすることに
なりました。艦上から先任将校が、
「よかったらはなせ」
と、叫んできました。

 その直後、6そうの艇は、次々と離艦
しました。揚陸作戦を開始しました。

 陸軍が持ち込んだ組立式浮舟は、武装兵
6人ぐらいしかのれず、しかも、内火艇で
引っ張っていくしかありませんでした。

 第一内火艇を先頭に、第一カッター、
第二内火艇、第二カッターの順で、
隊列は粛々と、不気味な静けさの
中を、進んでいきました。

 岡本氏は、第一内火艇の艇首にある
操縦室の天蓋をまたいで腰をおろし、
目をサラのごとく見開いて、四周を
見張っていました。

 早潮を離れた時から、ガダルカナル島の
稜線は、暗い夜空に薄ぼんやりと見えて
いました。

 岡本氏は、山陰を目指して、針路を
定めました。そこが揚陸地点であり、
青いランプが、到着を待っている
はずでした。

 艇の針路は、艇長がしっかりと舵を
握っていました。陸地までは300mで
あり、海上の300mはすぐそこという
感覚でした。

 岡本氏は、警戒に全神経を集中し、
後続する艇を誘導していきました。


紹介書籍:駆逐艦「神風」電探戦記
著者: 「夕雲」及川幸介、「早潮」岡本辰蔵、「神風」雨ノ宮洋之介


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