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駆逐艦早潮 闇の恐ろしさ [駆逐艦早潮]

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 岡本氏は、この時の闇の恐ろしさを、
戦後になっても忘れることができないで
いるとしています。

 内火艇には、羅針盤はなく、空も海も
ただ黒一色で、何一つ目標になるものが
ない状態でした。ただ、勘によって艇を
進めていただけでした。

 岡本氏は、もしも、方向が間違って
いたら、どんな大事になるかと、心中
密かに起こる動揺を禁じ得なかった
としています。

 そのため、待望の青ランプが薄ぼんやりと
見えてきた時は、心からホッとし、天は
見捨てていなかったと感じていました。

 岡本氏は、「神様、仏様」の心境でしたが、
これを悟られないように、大声で、「青ランプが
見えてきたぞ」と怒鳴っていました。艇長は
元気よく返事してきました。

 しかし、青ランプは、艇の針路からだいぶ
右にずれていました。

 針路が大きく左にずれていることを示す
ものであり、このまま進んだら、敵飛行場
近くの海岸に、モロにぶつかることに
なりました。

 岡本氏は、冷気を感じつつ、「面舵」と命じ、
針路を変更しました。ところが、その瞬間に、
ゴリゴリという異様な音とともに、艇が震動
して停止しました。

 変針に気を取られ、珊瑚礁に乗り上げて
しまったようでした。これまでも、揚陸作戦を
行うと、1そうぐらいは必ず珊瑚礁に接触
したり、座礁したりしていました。

 水中をのぞくと、船底をかんだ珊瑚礁一帯が、
プランクトンの1種が放つ光のせいで、
ギラギラと光って続いていました。

 後進をかけたり、ツメざおで艇を押したり
しましたが、艇はびくともしませんでした。


紹介書籍:駆逐艦「神風」電探戦記
著者: 「夕雲」及川幸介、「早潮」岡本辰蔵、「神風」雨ノ宮洋之介


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