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駆逐艦早潮 救助 [駆逐艦早潮]

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 軍歌の合唱は、しばらくするとやみ、
それから幾時間が経過しました。

 岡本氏は、この時は時間の感覚も
なくなり、実際はそう長い時間では
なかったのではないかとしています。

 前方で、内火艇のエンジン音が
聞こえました。オヤ?と思って、顔を
起こしましたが、敵機の爆音で、
判然としませんでした。

 しかし、周囲を見ると、僚艦から
繰り出された内火艇が、救助作業を
しているのがわかりました。

 岡本氏は、勇気百倍となり、救助艇に
向かって必死に泳ぎました。しかし、
救助艇に着くと、すでに満員で、
艇長が、「もう乗艇は駄目だ。
危険だ。」と怒鳴っていました。

 しかし、必死にしがみつき、手を離す
どころの騒ぎではありませんでした。
岡本氏も、軍人であり、このような無様な
真似はしたくないと思いましたが、
横にいる負傷者である掌機長
だけでも助けてもらいたいと
思いました。

 大声で、「掌機長だけでも助けてくれ。
たのむ。」と言って、内火艇の後尾に
無理やり乗せました。吃水が深かった
ので、簡単に乗せられました。

 そのはずみで、岡本氏も乗艇し、ここで、
救助は打ち切りとなりました。(岡本氏は、
はずみということを強調していますが、
罪悪感があったからだと言えます。
この状況なら仕方なしと言えます。)

 岡本氏が乗り込んだ内火艇は、
駆逐艦白露のものでした。この
内火艇は、海面スレスレまで
沈んでおり、少しでも動揺すると、
浸水する危険なものでした。

 救助を打ち切ったのは、当然の
処置と言えます。


紹介書籍:駆逐艦「神風」電探戦記
著者: 「夕雲」及川幸介、「早潮」岡本辰蔵、「神風」雨ノ宮洋之介


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