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駆逐艦早潮 恐怖心 [駆逐艦早潮]

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 岡本氏は、物音に怯え、艦が発砲する
衝撃と砲声にも怖がるようになり、ついに
恐怖心に変わっていきました。

 岡本氏自身どうしていいかわからず、
頭を抱え込んで、恐怖におののいて
いました。

 その時、もうひとりの心の中の自分が、
「こんなことでどうする。貴様は帝国
海軍の軍人ではないか。」と叱り
つけてきました。

 岡本氏は、腹に力を込め、頭を上げて、
落ち着いたことを感じました。不思議な
心の変化でした。

 岡本氏は、ひととき前まで、早潮で
凄惨な修羅場におのれを忘れて
戦った後、暗黒の海に放り出され、
平気で泳いでた自分が、今になって
どうして恐怖心にとりつかれたのかと
思案しました。

 これは、早潮の時は、職務を果たすという、
張り切った心、すなわち責任感が他の
すべてを忘れさせていたからだろう
としています。

 しかし、白露では、自分の職務はなく、
ただの便乗者になっていました。そうした
心のすきに、生に対する執着から、恐怖心が
湧いてきたのだろうとしています。

 同時に、早潮の消火活動を呼びかけた時、
職務がない陸戦隊が一人として消火作業に
当たってくれなかった理由について、
理解しました。

 同じ便乗者という立場になると、職務が
ないことが恐怖につながり、とっさに
危険から遠ざかるような行動をした
ということでした。

 そう考えると、この場所は、音は
うるさくても、熱気が伝わってくるので
温かい温室にいるような感じであり、
海で冷えた体を温めるには最高の
場所だと、改めて気づきました。


紹介書籍:駆逐艦「神風」電探戦記
著者: 「夕雲」及川幸介、「早潮」岡本辰蔵、「神風」雨ノ宮洋之介


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