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巡洋艦矢矧 敵機見ゆ [軽巡洋艦矢矧]

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 見張員が発見した敵機は、上空で
頑張っていましたが、艦隊の進路を
横切って、九州の方へ飛び去って
いきました。

 こちらの存在には気づかなかったようで、
偽の航路は、成功したようでした。直ちに、
「敵機見ゆ」の旗が挙げられました。

 敵機は、今は気付いていなくても、
大型の艦隊が発見した以上、見つかるのは
確実でした。

 敵機が旋回し、艦隊に接近すると、
発見したのか、慌てて上昇し、雲の中に
姿を消しました。

 偽の航路をとる必要がなくなったので、
時を移さず、沖縄の東方海面を行動中の
敵機動部隊から、攻撃機が発艦してくる
はずでした。総員配置で来襲に備える
ことになりました。

 海はゆったりとうねり続けました。
時折、雲の間から、薄い陽光が差し
込んできました。井上氏は、のどかな
光景だと感じましたが、これは、
嵐の前の静けさでした。

 艦隊は戦闘隊形をひらき、大和を中心に、
各駆逐艦が、2.5kmの間隔を保って、
両側に占位しました。矢矧は、大和の
前方直衛につきました。

 しばらくすると、グラマンF6F戦闘機
20数機が出現しました。艦隊は、全対空火器を
敵編隊の方向に振り向けました。井上氏らは
緊張しましたが、敵の戦闘機は近づいて
きませんでした。

 航空援護の有無を探りに来たようで、
遠回りに旋回を続けるのみでした。
井上氏はひと息つけると判断し、
旗甲板に降りてみました。

 そこには、同じ見張士の曹長がおり、
タバコをふかしていました。井上氏は、
「大和を見ていると、本当に頼もしく
なりますね。」と話しかけました。


紹介書籍:重巡「最上」出撃せよ
著者: 「矢矧」井上芳太、「那智」萱嶋浩一、「熊野」左近允尚敏、最上:曾禰章、「五十鈴、摩耶」井上団平


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