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巡洋艦矢矧 見張りに集中 [軽巡洋艦矢矧]

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 井上氏は、池田氏が言うように電探を
いじめるつもりはありませんでしたが、
電探器でつきっきりで督励している
池田氏と同じように、敵の攻撃隊を
早く発見したいと考えていました。

 井上氏は、敵発見の目算時刻5分前に、
双眼鏡にしがみつきました。敵は、
F6Fの方位から来ると推測
しました。

 腹を据えた日本艦隊は、堂々と航進
していました。F6Fは、虎視眈々と
にらんだまま、羽ばたいていました。

 誠に静かに時はすぎていましたが、
向こう側では、敵の攻撃隊が、プロペラ
大旋風を起こし、万雷を天空に爆発させて、
来襲しつつあるはずでした。

 天空には、層積雲がかかっており、
見張りには一番苦手な状態でした。
このような状態のときこそ、電探の
領域だと感じていました。

 そこで、今度は負けないぞといっていた
池田氏の電探器はどうなったのだろうと
考えました。まだ報告はないので、
発見していないようでした。

 現在、艦隊は、之字運動をしているので、
調整に大わらわなのだろうと思いました。
この状態では、電探に花を持たせることは
できそうにありませんでした。

 井上氏は、双眼鏡を移動させ、攻撃隊が
来ると思われる方向を、見張りました。
ちょうどその頃、後部見張りより、
「浮上潜水艦」という報告が
ありました。

 真っ昼間に浮上潜水艦と聞いて、味方の
潜水艦かと疑いましたが、間違いなく敵だと
いう返答でした。

 艦隊をなめた行動だと腹が立ちましたが、
見張りを忘れるわけにはいきませんでした。
精神を眼鏡に集中しましたが、あまり目を
くっつけすぎていたため、目の周囲が
痛くなってきました。


紹介書籍:重巡「最上」出撃せよ
著者: 「矢矧」井上芳太、「那智」萱嶋浩一、「熊野」左近允尚敏、最上:曾禰章、「五十鈴、摩耶」井上団平


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