SSブログ

巡洋艦矢矧 敵機の突撃 [軽巡洋艦矢矧]

スポンサーリンク
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});



 目の周囲が痛くなった井上氏でしたが、
このおかげで、神は、井上氏に、獲物を
授けてくれました。敵の艦上爆撃機
SB2Cを2機発見しました。

 井上氏は、双眼鏡に目をつけたまま、
喉も裂けよと声を張り上げて報告しました。
敵機は、あとからあとから、無制限に生み
落されました。まだ、砲撃距離に入って
いませんでした。

 艦橋には、「敵機は今まで確認したもの
約70機。機種はF6F、SB2C、TBF。」と
いった報告が慌ただしく飛びかって
いました。

 魚雷は、誘爆を避けるため、発射管が
旋回して、舷側に突き出されました。速力
26ノット。白波を艦尾に盛り上げ、
全艦隊は、まなじりを決して、
驀進しました。

 艦隊は、またたくまに数百機の敵機に
包囲されました。しかし、今更驚くことは
ありませんでした。敵軍の重囲を突破
しなければならないことは、出撃の時から
わかっていました。

 敵機の大群は、藻の間をくぐる池の魚の
ように、雲の間をつっきり、艦隊の上空を
一周しました。敵の編隊は2つにわかれ、
大和と矢矧に向かって、突撃を開始
しました。

 矢矧に向かってくる敵機だけで、ゆうに
百機はいました。これは、空母か、大和、
武蔵クラスの戦艦に対応する待遇でした。

 普段はのんきな井上氏も、これには
面食らいました。この艦隊に、榛名や伊勢、
日向といった戦艦が参加していないのが、
恨めしくなりました。

 井上氏は、改めて、沖縄には行けそうに
ないと感じました。そして、ついに、
「砲撃はじめ」の命令が下り、
主砲が火を吐きました。


紹介書籍:重巡「最上」出撃せよ
著者: 「矢矧」井上芳太、「那智」萱嶋浩一、「熊野」左近允尚敏、最上:曾禰章、「五十鈴、摩耶」井上団平


スポンサーリンク



nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。