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巡洋艦熊野 26日の空襲 [巡洋艦熊野]

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 空襲が終わると、待ち遠しかった夜に
なりました。左近允氏は、鉄兜や、防弾
チョッキを脱いで、身軽になり、夜風が
流れていきました。

 この日の夜は、潜水艦の襲撃もなく、
24日に撃沈した武蔵が眠るシブヤン海を
抜けて、26日の朝、ミンドロ島南方に差し
掛かりました。一晩航行を続けましたが、
まだ、敵機の行動版範囲内でした。

 当面の向かう先であるコロンの島が、
前方の水平線上に見えてきました。
そこには、油槽船が待機しているはず
でした。熊野の燃料は、ブルネイに
直行するには、不足していました。

 夜が明け、強い陽射しに島々が輝き
始めた頃、対空電探が、敵機らしきものを、
探知しました。そして、熊野に徐々に
近づいているようでした。

 しばらくすると、機影が見えてきました。
やがて、熊野の上空で、敵編隊が旋回を
はじめました。今回は合計32機で、昨夕と
似た状況でしたが、海面が広いので、
行動に制約はありませんでした。

 敵の編隊は、悠然と高角砲の射程付近を
旋回しました。まもなく、戦闘隊形に移った
敵艦上機群は、熊野に爆撃、銃撃、雷撃を、
放ってきました。

 熊野は、すかさず応戦し、凄まじい音で、
航海長の号令が、とぎれとぎれに聞こえて
きました。なんとか回避し続け、最後の
SB2C3機が、左上方から突っ込んで
きました。

 1番機、2番機の投弾はかわしましたが、
3番機の投弾後、左近允氏は、飛び上がり
ました。爆弾が命中したようでした。

 艦橋上部に張り巡らした電纜が切れて
ぶら下がり、マグネットコンパスが、
転がり落ちました。


紹介書籍:重巡「最上」出撃せよ
著者: 「矢矧」井上芳太、「那智」萱嶋浩一、「熊野」左近允尚敏、最上:曾禰章、「五十鈴、摩耶」井上団平


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