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巡洋艦熊野 被害状況 [巡洋艦熊野]

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 爆弾を受けた熊野は、速力が落ち、
航跡が小さくなっていきました。
敵機は、乱舞していました。

 機関科から、缶室火災の報告がありました。
熊野はほとんど停止し、空襲は途絶え、
対空砲火も沈黙しました。

 そこに、見張りから、
「雷撃機が突っ込んでくる。」
という報告がありましたが、停止している以上、
避けようがありませんでした。機銃が、
雷撃機に迫り、曳痕弾が赤い尾を引いて、
飛んでいきました。

 雷撃機が投下した魚雷は、かなり遠く、
熊野の前方を通過していきました。敵機が
去り、戦闘が終了すると、左近允氏は、
改めて、艦橋周りを見渡しました。

 爆弾は煙突に命中したらしく、大きな煙突の
艦首より8割ほどが、焼いたスルメのように、
しわくちゃな一枚の鉄板と化していました。

 煙突の中で爆発したようで、付近の高射器、
高角測距儀は、破壊されるか黒焦げで、
壊滅に近い状態でした。

 マストの近くにあった対水上電探室もひどく
やられており、全部の缶室は火を吹いて、
たちまち航行不能に陥りました。

 艦橋左舷から見下ろすと、航海科倉庫付近の
構造物を吹き飛ばし、三番砲塔の左にある
機銃にいた乗員は全滅していました。

 操舵室の窓を破って飛び込んだ弾片は、
数名の操舵員に重軽傷を、おわせていました。
銃撃による死傷者も多く、その交代に忙しく
動き回っていました。

 「上空しっかり見張れ。」「どんどん弾を運べ。」
という声とともに、高角砲の薬莢が、ガラガラ音を
立てながら片付けられ、新しい砲弾が準備されて
いきました。


紹介書籍:重巡「最上」出撃せよ
著者: 「矢矧」井上芳太、「那智」萱嶋浩一、「熊野」左近允尚敏、最上:曾禰章、「五十鈴、摩耶」井上団平


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