SSブログ

巡洋艦最上 トラック泊地の奇遇 [巡洋艦最上]

スポンサーリンク
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});



 曾禰氏は、トラック泊地で、同期で
衣笠の沢艦長とお目にかかれたことを、
ありがたいと感じていました。

 固い握手もそこそこに、曾禰氏は、
艦長公室に沢艦長を案内し、彼からの
言葉を、情ある武士のなぐさめとして、
気持ちよく受け取りました。

 久しぶりの対面とあって、話に花が咲き、
小一時間ほど続きました。やがて、艦を
長くあける訳にはいかないとして、
そそくさと舷梯を降りて、内火艇で
帰途につきました。

 曾禰氏は、舷側からこの様子を見て
いましたが、沢艦長とは、これが今生の
別れとなりました。

 沢艦長、この後、ソロモン方面に向かい、
敵飛行機と会敵し、衣笠の艦橋に命中した
爆弾により、壮烈な戦死を遂げていました。

 衣笠も沈没するに至り、このことを後日
聞いた曾禰氏は、夢のような心地がしたと
しています。


 その後、巡洋艦加古の高橋雄次艦長が、
最上に来艦してきました。高橋艦長も、
曾禰氏と同期でした。

 全く予期せぬ戦友の訪問を受けて、
甲板に並べてあった椅子に腰掛け、
短時間の話し合いが数時間に
なりました。

 曾禰氏は、高橋艦長からも、沢艦長と
同様に、激励を受け、嬉しく受け取って
います。

 加古は、ソロモン他で、武勲を重ね
ましたが、戦場から引き上げの途中で、
敵潜水艦の攻撃により撃沈しています。

 しかし、高橋艦長の判断と処置により、
艦長以下大多数の乗員は救助されました。

 高橋艦長は、戦後、「鉄底海峡」の
著書として戦闘記録を残しています。


紹介書籍:重巡「最上」出撃せよ
著者: 「矢矧」井上芳太、「那智」萱嶋浩一、「熊野」左近允尚敏、最上:曾禰章、「五十鈴、摩耶」井上団平


スポンサーリンク



nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。