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巡洋艦大淀 海上での測距訓練 [巡洋艦大淀]

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 小淵氏らは、測距儀を2mくらいの 大きさのものを使用して、勝力崎にある 測距訓練所で、取り扱い方法や、測的の 初歩を習いました。  (測距儀は、大きい方が正確に測定 できます。戦艦は、10mという測距儀を 搭載しています)。  やがて、海上での測的訓練が始められ ました。小型の艇に、測距儀を取り付けて、 東京湾に乗り出し、目標を指定されて 訓練しました。こうして、測的訓練も 上達していきました。  ある日、台風の余波で東京湾はだいぶ 波が高い状態でした。測的距艇で乗り出した 幹部班は、目標を指定され測定をはじめ ました。しかし、大揺れに揺れる測距艇の 上では、目標を捕捉することさえ困難でした。  大部分の者が、船酔いでふらつき、半数 くらいは、こっそり嘔吐していました。順番で 測距儀に取り付いても、横揺れや縦揺れで、 指示された目標が視野に納まりませんでした。  目標物も上下左右に動きまわりました。これを 追いかけていると、目まいがしてきて、胸が むかついてきました。瞬間的に視野に入った 目標を大急ぎで測り出し、、その距離を記録係に 読みとってもらいましたが、ここまでできた者も わずかでした。  目標を視野に入れることもできないうちに、 測的の持ち時間が、なくなり、交代の号令が かかっていました。二度目、三度目と順番が 来るたびに、今度こそはと意気込んで 測距儀にしがみつきました。  しかし、激しくつきあげてくる嘔吐をこらえるのと、 闇の中に突き落とされていくようなめまいのため、 測定した距離は、各自まちまちの数字が記録 されることになりました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男


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