巡洋艦大淀 配達されない電報 [巡洋艦大淀]
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角田上水の、「東京についた」という声で、 うつらうつらしていた小淵氏は、ハッとして 窓の外を見ました。 東京は、B29の空襲で一面焼け野原になって しまったという噂を聞いていたので気になって いましたが、焼け跡らしきものは、視野に ありませんでした。角田上水も、「噂ほどでは ないようです。」と答えていました。 上野に着いたのは、昼少し前でした。乗り換えの 上越線は、出るまで二時間近くありました。そこで、 亀戸と浅草にいる姉に一緒に帰郷しようと思い、 電報を打ちました。 駅備え付けの電報用紙に記入し、掲示してある 料金の切手を貼り、受付に差し出しました。すぐに 届くだろうと胸をときめかせていると、係員から、 受付けられませんと突き返されました。 小淵氏は、なぜなのか尋ねると、近距離だから 配達しないということでした。小淵氏は、近くだから すぐに届くと思っていたのが、近場だから配達 しないと言われるとは、夢にも思いませんでした。 帰りの汽車を確認していた角田入水が戻って きたので、西郷さんの像の前で弁当を食べることに しました。休暇組の者には、4食分の弁当が配給 されていました。経木に包んだ麦飯弁当でした。 しかし、外食はできないので、これが唯一の 頼みでした。この弁当を広げると、みすぼらしい 姿をした12~13歳くらいの少年が二人近づいて 来て、小淵氏らをじっと見つめていました。 東京は、乞食が多いと聞いていましたが、こんな 子供までがと、小淵氏は不思議い思いました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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角田上水の、「東京についた」という声で、 うつらうつらしていた小淵氏は、ハッとして 窓の外を見ました。 東京は、B29の空襲で一面焼け野原になって しまったという噂を聞いていたので気になって いましたが、焼け跡らしきものは、視野に ありませんでした。角田上水も、「噂ほどでは ないようです。」と答えていました。 上野に着いたのは、昼少し前でした。乗り換えの 上越線は、出るまで二時間近くありました。そこで、 亀戸と浅草にいる姉に一緒に帰郷しようと思い、 電報を打ちました。 駅備え付けの電報用紙に記入し、掲示してある 料金の切手を貼り、受付に差し出しました。すぐに 届くだろうと胸をときめかせていると、係員から、 受付けられませんと突き返されました。 小淵氏は、なぜなのか尋ねると、近距離だから 配達しないということでした。小淵氏は、近くだから すぐに届くと思っていたのが、近場だから配達 しないと言われるとは、夢にも思いませんでした。 帰りの汽車を確認していた角田入水が戻って きたので、西郷さんの像の前で弁当を食べることに しました。休暇組の者には、4食分の弁当が配給 されていました。経木に包んだ麦飯弁当でした。 しかし、外食はできないので、これが唯一の 頼みでした。この弁当を広げると、みすぼらしい 姿をした12~13歳くらいの少年が二人近づいて 来て、小淵氏らをじっと見つめていました。 東京は、乞食が多いと聞いていましたが、こんな 子供までがと、小淵氏は不思議い思いました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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2019-11-29 18:00
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