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巡洋艦矢矧 ブルネイ泊地での対空戦闘 [軽巡洋艦矢矧]

 11月15日、ブルネイ泊地に停泊
していた日本海軍のところに、再び
偵察機が姿を現しました。

 ブルネイ湾を一周し、その後零戦に
追いかけられましたが、遁走して
いきました。

 翌日、P38双動機23機を先頭に、
B24が40機の合計63機の編隊が
飛来しました。

 この日のブルネイ湾は、雲ひとつない
快晴で、一挙に姿を現した敵機の編隊は、
大和を目標に攻撃してきました。

 戦闘機が急降下すると、大和は、
零式撤弾を放ちました。天空に開いた
花火が、先頭のP38 に襲いかかり、
パッと火を噴き、火達磨となって、
海面に激突しました。

 さらに、大和の零式撤弾が、5機の
B24の上空に炸裂しました。みるまに
5機のB24が、白煙の尾を曳きはじめ
ました。錐揉み状態で落ちていきました。

 敵編隊は、戦艦に目をつけており、
矢矧には目もくれませんでした。
戦闘が終わり、引き上げていく
敵機は55機でした。8機撃墜
という戦果になりました。

 井上氏は、見張員の機影報告を
算出した上で、自分の計算に
間違いないことを確かめ、
艦橋に報告しました。

 引き上げていった敵機の内、白煙を
上げていた機体は18機でした。これらの
機体は、途中燃料切れで落ちる可能性が
高いということですが、乗員は高い確率で
助かるということを、矢矧の飛行長から
聞きました。

 この後、矢矧は内地へ帰還していきました。


紹介書籍:重巡「最上」出撃せよ
著者: 「矢矧」井上芳太、「那智」萱嶋浩一、「熊野」左近允尚敏、最上:曾禰章、「五十鈴、摩耶」井上団平
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巡洋艦矢矧 ブルネイ泊地 [軽巡洋艦矢矧]

 B24を撃墜された大編隊は、慌てて
退避していきました。次に別のB24の
編隊が来ましたが、日本艦隊には手を
出さずに遠ざかっていきました。


 栗田艦隊はブルネイ湾に引き上げて
きました。ブルネイ泊地は、B24の
攻撃圏内なので、見張りの強化が
なされました。

 ブルネイ湾泊地から70度の方向に、
富士山に似た形の山がありました。
井上氏は、見張りの作戦上、ブルネイ富士
と呼んでいました。

 ブルネイ湾には、この山くらいしか
高い山がなく、敵も味方も目印にして
いました。

 11月7日、セミクジラに似た双発の
コンソリデーテッド機が、ブルネイ富士
の右側に姿を現しました。敵機は自信の
ない偵察行動なのか、悠々とした動作で
近づいてきました。

 日本艦隊が、敵の近くのブルネイ湾に
いるとは思っていないようでした。
井上氏が報告すると、かなり遠方だったので、
当直将校が泡を食って、「距離は何から
割り出したのか。」と問いただしてきました。

 井上氏は、「目標が大きいので、分画目測
しました。本当はもう少し遠いですが、
遠慮して少し近くにしました。」と
報告しています。

 井上氏は当直将校と変わり、現物を見て
もらいました。この頃に、敵機も日本軍が
いると分かり、慌てていました。

 偵察機に発見された以上、敵機が来襲すると
予想し、一時別方面に出撃し、11月11日に
帰還しました。この後も、ブルネイ泊地に
停泊していました。


紹介書籍:重巡「最上」出撃せよ
著者: 「矢矧」井上芳太、「那智」萱嶋浩一、「熊野」左近允尚敏、最上:曾禰章、「五十鈴、摩耶」井上団平
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