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源田実参謀 過剰な自信 [源田実航空作戦参謀]

 宇垣参謀長が悲観的自白と受け取った
源田参謀の言でしたが、源田参謀自身は、
全く逆に考えており、機動部隊の航空戦に
対して過剰なほど、自信満々でした。

 源田参謀は、空母を集団運用すれば、
防空戦闘機を多数配備できるので、
敵飛行機隊を撃退できると確信して
いました。

 実際、軍令部の三代部員は、「軍令部は、
ミッドウェー作戦の際に、空母に損害が
出るのではないかと不安を抱いていた。

 しかし、源田参謀が、防空戦闘機を集中
運用すれば、敵航空機の攻撃は阻止
できると断言し、軍令部を安心
させた。」としています。

 源田参謀は、爆撃機と雷撃機の大兵力を
集中すれば、敵を撃滅でき、戦闘機を上空に
多数配置すれば、攻撃を阻止できるという
用兵思想に徹していたと言えます。

(追記)
 源田参謀の考え方は、セイロン島沖海戦と、
アメリカ機動部隊に攻撃にいった攻撃機が
返り討ちにあっているという事実をみれば
穴があることを証明しています。

 赤城に爆弾を落とされるまで、上空にいた
戦闘機は誰も敵機に気づかなかったという点を
みれば、空母に配備されている戦闘機だけでは、
上空警戒には限界があるということです。

 これに対処するのに、アメリカ軍が行った
ように、戦闘機だけを積む中小型空母を
多数機動部隊に配置するという手を、
この時点で本気に検討していれば、
誰かは思いついたのではないかと
思われます。

 そうすれば、機動部隊の戦闘機は、全て
攻撃隊の護衛として出撃させる事が
できるのでこちらも、万全になります。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 悲観的自白 [源田実航空作戦参謀]

 草鹿参謀長の考えに不安を抱いた宇垣
参謀長は、草鹿参謀長に、「艦隊戦闘に
おいて、敵に先制空襲を受ける場合、
あるいは、陸上攻撃の際に、敵海上
部隊より、側面を衝かれた場合、
どうするのか。」と質問しました。

 草鹿参謀長の返答は、「かかることの
ないように処置する。」というあっさり
したものでした。納得できない宇垣参謀長は、
さらに追求すると、源田参謀が、代わりに
返答しています。

 「艦上攻撃機に増槽をつけ、833km先まで
飛べる偵察機を、各母艦に2~3気ずつ配当し、
これと巡洋艦の零式水上偵察機を使用して、
側面哨戒に当たらせる。

 敵に先んぜられたら、上空にある戦闘機に
より対処する以外に策はない。」としています。

 宇垣参謀長は、源田参謀の返答を、悲観的
自白と受け取りました。

(追記)
 上記の宇垣参謀長の問いかけに対する、
草鹿参謀長の答えは、日本人らしい情緒的な
もので、実際には何の回答にもなっていません。

 宇垣参謀長の問いかけは、後にミッドウェー
海戦で現実化し、大敗北の原因となっています。

 軍隊は、本来現実主義であり、あらゆる
リスクに対して過剰なほどの準備をした上で、
その上で恐怖を押しのけて作戦を遂行する
ものです。

 リスクとして考えられることに対して、
草鹿参謀長の答えは、起きた時に臨機応変に
やればいいと、言っているようなものであり、
何の対策も考えていない時点で、参謀長
失格ということになります。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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