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源田実参謀 連合艦隊司令部の頑冥さ [源田実航空作戦参謀]

 中島参謀は、自分の問題提起に、「必要ない」と
返されたことに対し、「攻略を遅らせなければ、
機動部隊の飛行機隊は、ミッドウェー攻略の
輸送船団攻撃に発進した後の、空を撃つ
ことになります。」と再度問題提起
しています。

 これに対する回答は、「そのようなことはない。」と
言う、何の根拠もない回答をし、これ以上の質問を
打ち切りました。中島参謀の問題提起に関し、
黒島参謀と、中島参謀の上長になる白石
参謀長は、戦後この時のことを、以下の
ように評しています。

 「敵が、輸送船団を発見すれば、敵機動部隊の
誘出に役立つ。」というものです。しかし、敵機動
部隊の誘出が目的なら、日程に拘る必要はなく、
これは、言い訳にもなっていないものでした。

 連合艦隊司令部は、頑冥さは、こう思い込むと
他人の意見をすべてロクなものではないと決めて
かかるような、山本長官の性格と、ことを急ぐ
考え方によるものだと言えます。

 第一機動部隊は、出撃前日の5月26日、桂島
泊地の旗艦赤城で、作戦計画の説明と打ち
合わせを行いました。
 
(追記)
 草鹿参謀長は、空母のアンテナでは、受信
能力が低いので、敵通信が傍受しにくい。
重要な作戦変更は、連合艦隊から指示して
もらうことを、宇垣参謀長と話し合いました。

 前回、山口少将の時に紹介しました通り、
この要望は、守らず、敵機動部隊が来たことを、
連合艦隊は掴んでいたにもかかわらず、
知らせていませんでした。

 (守られていたとしても、南雲長官や、
草鹿参謀長の指揮では、意味がなかった
可能性が高いと思われます)。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 数々の問題点 [源田実航空作戦参謀]

 山本長官が指揮する主力部隊が、なぜ、
このような無意味な配置になっていたのか
という疑問が出てきます。

 実はこれについては、真珠湾の時と同じ
ように、戦闘に参加している格好をして
加俸や勲章にあずかるためではないか
という説があります。

 実際、ありえる話で、本当にそうであれば、
山本長官は、軍法会議を受けるべき、大罪を
犯していると言えます。実際、この主力部隊は、
歴史に残る大愚策をしたと記録されます。

 しかも、この打ち合わせで、中沢大佐以外
からも各種の指摘がなされていました。

 一つは、ハワイとミッドウェー間に進出して、
アメリカ艦隊を監視する潜水戦隊の準備が
遅れ、6月4日以降にならなければ、指定
散開線をはれないという問題でした。

 この問題に対し、連合艦隊は、アメリカ艦隊の
ハワイ進出は、ミッドウェー攻略後という勝手な
判断のため、監視も攻略作戦も、変更しません
でした。

 2つ目は、第一機動部隊の出撃が、一日遅れ
ましたが、その他の作戦は、変更なしとされた
ことでした。この点について、第二艦隊の
中島通信参謀が、以下の問題を提起して
います。

 「6月4日に攻略部隊の輸送船団がミッドウェー
基地の哨戒圏内に入り、発見されます。5日の
機動部隊の攻撃の時には、ミッドウェー空襲も
察知され、対策を講じられるので、攻略作戦を
一日遅らせるべき。」というものです。

 これに対し、宇垣参謀長は、「必要ない。」と
切り捨てています。中島参謀は、納得がいかない
ので、更に質問をしています。


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著者:生出 寿
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