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源田実参謀 急降下爆撃機からの攻撃 [源田実航空作戦参謀]

 日本軍は、超短波無線は、艦対艦がやっとの
状態の時、アメリカ軍は、実用化された、艦対艦、
艦対空、空対空の性能の良い超短波無線電話を
持っていました。

 更に、対艦、対空のレーダーも持って
いました。日本軍は、この当時、レーダーに
至っては試作の段階で、戦艦伊勢と日向に
装備されていただけでした。

 敵機の状況がわからない状態の時、飛龍の
見張員の吉田特務少尉が、7時19分に、
「敵急降下爆撃の編隊左30度、加賀に
向かう、高度4000」と絶叫しました。

 SBDドーントレスが、すでに一本棒になって、
加賀に向かっていきました。エンタープライズから
飛びたった、マッククラスキー少佐の急降下爆撃機
25機でした。

 この内の20機が、7時23分頃、ダイブに
入り、加賀に向かっていきました。残りの5機は、
7時24分頃、加賀の左前方500mほどのところに
いた赤城に急降下していきました。

 7時28分ごろ、ヨークタウンから飛び立った、
レスリー少佐のSBDドーントレス急降下爆撃隊
17機は、蒼龍にダイブしていきました。

 この時、飛龍は、これまでの敵からの集中的な
攻撃を受け、回避運動を続けていたため、北東の
方に1艦だけ離れており、敵の急降下爆撃隊の
進入路に並んでいた3艦から離れていたため、
攻撃を受けずに済みました。

 この急降下爆撃で、加賀は4発、赤城は
2発、蒼龍は4発の爆弾を浴びることに
なりました。

 本来なら、この程度であれば、珊瑚海海戦で
爆弾を浴びた翔鶴同様、飛行甲板は使えなく
なるものの、行動は可能なはずでした。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 用兵の穴 [源田実航空作戦参謀]

 アメリカ空母の雷撃機との戦闘は、
7時15分頃終わりました。

 ここまで一発も攻撃を受けてないという
事実から、源田参謀は、「いくらやって
きても大丈夫だ。機動部隊の防空能力には、
従来いささか疑問を持っていたが、どうして
どうして、大したものだ。今日も勝ち戦だ。

 まず、敵母艦からの来襲機を撃滅し、
ついで、敵の母艦群を葬り、ミッドウェーは
今夜から、明朝にかけて、叩き潰してやろう。
今日は、開戦以来の激戦だが、勝運は我に
ある。」と満足していました。

 しかし、一息ついて間もなく、東方の哨戒中の
水上機から電信で、「敵大編隊見ゆ。貴隊より
方位110度、30海里・・・」というものでした。
続いて、駆逐艦から、「敵大編隊。10度方向。
高度3000。貴隊に向かう。」という発光信号が
ありました。

 赤城の見張員は優秀で、訓練も行き届いて
いたものの、上空の大半が、雲に覆われ、
赤城の見張用20倍望遠鏡では、敵機が
見えませんでした。

 源田参謀は、雷撃機用に降りてきていた
零戦を上空に移動させようとしましたが、
敵機が見えず、無線電話もよく通じないため、
位置を知らせることができませんでした。

 日本軍は、この当時、艦対艦と艦対空の
超短波無線を持っていましたが、艦対艦が
やっと使える程度でした。艦対空は、欠陥が
あって、ほとんど使えませんでした。

 このような状態なので、上空の飛行機を
思うように動かそうとしても不可能に近かった
と言えます。源田参謀の用兵には、ここにも
大きな穴がありましたが、気づいていません
でした。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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