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源田実参謀 連合艦隊の不作為 [源田実航空作戦参謀]

 連合艦隊の黒島参謀は、6月の3日か4日に、
大本営から「敵機動部隊らしきものが、ミッド
ウェー方面に行動中の兆候がある」という情報が
入ったとしていますが、この時、連合艦隊司令部は、
どう対処したのかということになります。

 山本長官は、第一航空艦隊に転電する必要は
ないかと問いかけています。これに対して、黒島
参謀は、宛名に第一航空艦隊も入っているので、
送らなくても知るはずだとして転電はしないように
進言したとしています。

 後に黒島参謀は、このときの進言は、大きな
失敗の一つであるとしています。


 連合艦隊の司令部が、敵機動部隊がミッド
ウェーの北方にいたことはつかんでいました。
実際、軍令部に対して、ミッドウェー攻略
中止後の報告で、暗号長からそのような
報告があったことを、山本長官らから
受けているとしています。

 しかし、この情報が、赤城にいる第一航空
艦隊司令部に打電されることはありません
でした。宇垣参謀長は、重要な作戦変更は、
連合艦隊司令部から、第一航空艦隊に
指示するという約束をしていますが、
転電することを進言していないようです。

 宇垣参謀長が、進言しなかったのは、
山本長官から無視されていたからというのも
理由の一つと考えられます。

 しかし、最大の理由は、赤城に転電すれば、
自分たちの位置がバレ、攻撃を受けるという
恐怖心でした。

 全く意味のない出撃をしていながら、
仕事もしなかったという点で、連合艦隊
司令部は、全員軍法会議だと言えます。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 有りもしない電報 [源田実航空作戦参謀]

 どのくらい情報を自分勝手に解釈して
いたかという点について、機動部隊が
飛行機を発見した6月4日の状況に
ついて、次の源田参謀の言が
あります。

 「4日午後、大本営海軍部から、一般
状況と共に、『敵は、いまだ我が意図を
察知したるものとは判断せず。』という
放送電報が届いた。

 このことから、空襲前夜、我々は、
敵機動部隊が至近距離にいて、攻撃時期を
うかがっているとは考えなかった。

 敵機動部隊が真珠湾を出港している
ということを、察知できなかった。」
としています。この言については、
全く信用することはできないものです。

 まず、大本営打ったとする、『敵は、~』と
いう電報ですが、この日の朝に、輸送船団が
攻撃を受けており、その報告もされている
最中に、このような電報を打ったとは
考えられません。

 しかも、潜水艦部隊が発見した敵機動部隊の
位置情報を、6月4日午前1時に受け取り、
東京通信隊が、繰り返し放送している
はずでした。

 この情報を、正確に理解していたならば、
「敵機動部隊が至近距離にいて、攻撃時期を
うかがっているとは考えなかった。」という
結論にはならないと思われます。

 しかも、連合艦隊の黒島参謀は、6月の3日か
4日に、大本営から「敵機動部隊らしきものが、
ミッドウェー方面に行動中の兆候がある」という
情報が入ったとしています。

 敵が出てくることはないという源田参謀
(第一機動部隊や連合艦隊司令部も同様)の
妄想が、ありもしない大本営の電報という
記述になっていると考えた方が自然です。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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