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源田実参謀 敵通信量が増える [源田実航空作戦参謀]

 五航戦の参加が必要ないと判断されたのは、
太平洋で行動できる空母が、エンタープライズと
ホーネットの2隻だけだったからでした。

 ヨークタウンは、珊瑚海海戦で大破して、
オーストラリアにおり、レキシントンは撃沈、
サラトガは、魚雷を食って修理中でした。
このように、敵は空母2隻しかいないと
判断していたからでした。

 軍令部は、アメリカの通信量が5月中旬から
増えたことを、察知しました。通信量が増える
のは、どこの世界でも、作戦が近いことを
示すものであり、アメリカ海軍がなんらかの
動きをはじめたことを示しています。

 実際、ニミッツ大将は、機動部隊をハワイ
海域に引き返させており、ヨークタウンを
真珠湾に回航することにしています。

 ミッドウェー攻略を知ったニミッツ大将が、
ワシントンのキング作戦部長との交信を
増やしたことも、通信量の増えた理由
でした。

 このような状況を、連合艦隊はおおよそ
つかんでいながら、ミッドウェー攻略は、
ハワイ攻撃同様に奇襲が成功すると
考えていました。しかも、敵機動部隊は
出てこないだろうとしていました。

 ミッドウェーを攻略しても、敵機動部隊が
出てくることはないと考えており、通信量が
増えたという報告をもらっても、全く無視して、
検討しようとすらしていませんでした。

 山本長官も同様に考えており、「今度は、
たいした獲物はないだろう。」と公言して
いました。

 アメリカで大使館付武官をやり、アメリカ
海軍や米国民のことを良く知っているはずの
山本長官からして、この有様でした。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 連合艦隊の自信過剰 [源田実航空作戦参謀]

 連合艦隊司令部も第一航空隊司令部も、
自信過剰になっていました。

 その上、ミッドウェー攻略作戦中は、
敵機動部隊が出現しそうにないと判断
される情勢になったため、南雲機動部隊
全体がゆるんだ気分で出撃準備を進めて
いました。

 各空母は、それぞれの母港で、燃料、兵器、
弾薬、糧食、酒保物品などを、しこたま積み
込みました。

 今回の作戦は、ミッドウェーの後、サモア、
ニューカレドニア方面まで遠征することに
なっていたので、倉庫は満載の上に、
各通路の片側に天井までぎっしり詰め
込まれました。

 ハワイに出撃する時は、私有品を陸揚げ
していましたが、今回は、それも全部積み
込んで平時の演習と同じでした。多くの者が
機密を守らなくなり、次の作戦は、ミッドウェー
だと言う噂が世間に流れました。

 軍港都市で知らない人の方が少ないという
有様で、山本長官以下のリーダーたちの
心理や言動が表れているといえます。


 ミッドウェー攻略作戦の主力となる南雲
機動部隊は、第一機動部隊と呼称する事に
なり、編成は、一航戦(赤城、加賀)、二航戦
(蒼龍、飛龍)、五航戦(翔鶴、瑞鶴)となって
いました。

 しかし、珊瑚海海戦を戦った五航戦は、
消耗が激しく、内地で再建を図り、ミッド
ウェーには参加しないことになっていました。
作戦を急ぐことと、いなくても支障がないと
判断されたからでした。

 このような推定や、判断をしたところに、
日本軍の致命的な隙があったといえます。
本来なら、五航戦を全て瑞鶴に乗せてでも
出撃させるべきだったと言えます。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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