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源田実参謀 司令部の自信過剰 [源田実航空作戦参謀]

 中沢大佐が、「第一機動部隊と主力部隊が
あまりにも広大で荒く、敵の索敵兵力が潜入
したり、我が方して、敵を見落とす恐れが
あるので、もっと緊縮して、互いに協力
しやすくする必要があるのではないか。」
と問いただしました。

 これに対する黒島参謀の答えは、根拠も
示さずに、「これで大丈夫なので変更は
必要ない。」としています。同様に、機動
部隊の草鹿参謀長は、「機動部隊は、
主力艦隊の支援を期待していない。」
としています。

 中沢大佐は自信過剰だと感じたようでした。
この後検討され、半分の距離になりましたが、
それでも600km近く離れていますので、全く
意味がないといえます。

 源田参謀は、「この距離では、機動部隊が
決戦を交えている時に、それを支援するために
主力部隊が全速(20ノット)で進撃してきても、
15時間はかかることになる。

 主攻撃隊が攻撃すれば勝敗は決するので、
6時間くらいで終わってしまう。終わった頃に、
まだ、後方200kmのところにいるという状態で
ある。これでは、支援のしようがない。

 もっとも無難なのは、主力部隊と機動部隊が
一つで行動して、全兵力を母艦軍の周囲に
配すべきだった。」としています。

(追記)
 上記の源田参謀の言は、足の遅い主力部隊が
機動部隊と行動を共にできるのかという問題が
ありますが、正しいことを言っています。

 しかしながら、この計画策定に源田参謀も
関わっており、このような言動はその時に
すべきと言えます。

 中沢大佐が疑問を呈した時に、真剣に
検討していないのであれば、どんな評を
しても意味はないといえます。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 5月25日の図上演習、兵棋演習 [源田実航空作戦参謀]

 5月25日、連合艦隊司令部は、旗艦大和に、
在泊艦隊の司令長官、司令官、各参謀、
不在艦隊の参謀長を集めて、MI、AL
作戦の図上演習、兵棋演習と、作戦の
打ち合わせを行いました。

 しかし、ミッドウェーの演習は、攻略部隊が
ミッドウェーを攻略した次の日の情勢から
開始されました。

 青軍(日本軍)は、ミッドウェー北方に第一
機動部隊、西に主力部隊がいました。対する、
赤軍(アメリカ軍)は、ハワイのオアフ島南東
830kmのところに、主力部隊と空母部隊が
西方に急進中という状況でした。

 航空戦は、北西から南東に進む空母4隻の
第一機動部隊と、南東から北西に進む、
アメリカ空母2隻の機動部隊が370kmの
間隔で、互いが航空機を発艦させて、
戦うというものでした。

 この機動部隊同士の決戦は、日本側が
1隻撃沈、2隻損傷に対して、アメリカ軍は、
2隻とも撃沈というものでした。この時、
計画の概要(源田参謀が立案したような
もの)についても説明がありました。

 この計画に対し、第五艦隊(AL作戦に
出撃する重巡洋艦の主力部隊)の参謀長
である中沢佑(たすく)大佐が、第一機動
部隊と、主力部隊の間が1100kmも後方
では、支援できないと問いただしています。

 この中沢大佐のまっとうな質問に対し、
司令部の返答は、敵艦隊が出撃してくれば、
鎧袖一触で敵を打ち破れるという、根拠の
ない自信過剰による認識を元にした、
回答にもなっていない粗雑なものでした。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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