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源田実参謀 痛烈な核心 [源田実航空作戦参謀]

 柴田大佐は、源田参謀について、痛烈な
核心をついた源田評を付け加えています。

 「第一機動部隊の山本長官に送った状況
判断は、全部間違いであることは、注解の
通り、明白である。

 これは、欠陥頭脳の標本みたいなものであり、
空想的な戦争の夢を見て、その中で、スタンド
プレーをしている。

 源田参謀は、このスタンドプレー(観客席の
喝采を狙う派手な演技という意味で使用して
いるようです)をしている自分に陶酔し、
寝言を言っているような報告文である。

 源田参謀以外に誰がこんな事ができるか、
言い得るか。源田参謀は、敵を知らず、己を
知らず、戦わずしてすでに敗けているのである。」
としています。

 辛辣な評価ですが、全て事実と言わざるを
得ません。しかも、この評価は、源田参謀
だけに当てはまるとは言えません。

 当然ながら、南雲長官、草鹿参謀長、大石
参謀なども同様と言えます。そして、山本長官
以下の連合艦隊司令部は、さらに輪をかけて
ひどいと言えます。

 真珠湾攻撃を成功と勘違いしたことから、
このような状況判断に至ったといえます。

(追記)
 上記の、「敵を知らず、己を知らず、
戦わずしてすでに敗けている。」というのは、
孫子の兵法の最も有名な言葉、「敵を知り、
己を知れば、百戦危うからず。」を逆に
使ったものです。

 得てして、負ける時は、敵か己を見誤った時に
発生するものですが、両方知らないのだから、
戦う前に敗れているというのは、欠陥頭脳を
表する言葉として、言い得ていると思えます。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 第一機動部隊の状況判断 [源田実航空作戦参謀]

 友永大尉率いるミッドウェー攻撃隊の
発進を前にして、第一機動部隊司令部は、
次のような状況判断を、山本長官に
していました。

①敵は、戦意乏しきも、わが攻略作戦
 進捗せば、出動反撃の算あり。
②敵の飛行索敵は、西方および、北方方面に
 対して、厳重ならざるものと認む。
③敵の哨戒圏はおおむね500海里なるべし。
④敵は、我が企図を察知せず、少なくとも
 5日早朝までは、我が方は、敵に
 発見されおらずと認む。
⑤敵空母を基幹とする有力部隊、付近海面に
 退去行動中と推定せず。
⑥上陸作戦の後、もし敵機動部隊反撃し
 来らば、これを撃滅すること可能なり。

 この状況判断について、「戦艦無用論」、
「戦闘機無用論」で、源田参謀と対立した
柴田大佐は、自分の著書「源田実論」の
中で、以下の適切な注解をつけています。

①敵機動部隊は、甚だ劣勢であるが、
 好機に乗じてわが機動部隊を
 攻撃すれば、勝算があると
 大いに戦意を燃やし、手ぐすね
 引いて、待っていた。
 そして、わが攻略作戦進捗前に
 襲撃してきた。
②敵は北西にあるわが機動部隊を特に
 厳重に警戒していた。
③敵は、700海里の哨戒飛行を行っていた。
④敵は、わが企図を1ヶ月も前に察知していたし、
 機動部隊が豊後水道を出たときから監視を
 続けていた。
⑤敵空母部隊は、すでに大挙出動して、
 待ち構えていた。
⑥敵機動部隊が、上陸作戦後に、出てくると
 勝手に決めており、上陸作戦の前に
 反対に撃滅された。

 柴田大佐は、さらに、源田参謀について、
上記の注解を受けながら、痛烈な核心を
ついたコメントも残しています。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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