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源田実参謀 敵情報に対する対応 [源田実航空作戦参謀]

 マーシャル諸島のクェゼリン島に進出
していた潜水艦部隊は、旗艦香取内の
特信班は、6月2日夜に、アメリカ機動
部隊の空母と搭載機との通信電波を
キャッチしました。

 この艦隊の依頼を受けた通信隊は、
3箇所の方位測定所によって、連合
測定したところ、敵空母の位置は、
ミッドウェー北北西315kmと推定
されました。

 この情報は、緊急信として、軍令部、
連合艦隊、第一航空艦隊に打電され
ました。

 この電報は、東京通信隊放送にかかり
ました。東京通信隊放送は、緊急電が
届くと、全艦艇に繰り返し発信する
という役割を持っています。

 この通信は、駆逐艦や潜水艦も傍受
できるので、すべての艦が内容を知った
ことになります。しかし、例のごとく、連合
艦隊も、第一航空隊司令部もこの電報に
注意を払っていませんでした。

 宇垣参謀長の日記にこの電報の記述は
なく、第一航空隊は受信していないとして
います。

 第一航空隊の空母はすべて撃沈したので
真相はわからないものの、届いていないとは
考えられませんでした。受信しても注意を
払わなかったということだと考えられます。

 山本長官が、第一航空隊に知らせる必要は
ないかと言われたが、黒島参謀が、無線封止中
であり、発信に反対したと述べています(言って
いたとしても、同じだったと思われます)。

 連合艦隊は、潜水艦部隊の情報違いとして、
処置もしなかったようです。連合艦隊司令部、
第一航空隊司令部共に、独善的で情報を
侮っていたことを示しています。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 情報軽視 [源田実航空作戦参謀]

 5月30日、宇垣参謀長は、日記に、
「我が攻略軍輸送船隊の前程あるいは
付近と認むべき敵潜水艦、長文の
緊急信をミッドウェーに発せり、
わが輸送船隊などを発見し報告
せるものとせば、敵の備うる
ところとなり、獲物かえって
多かるべきなり」としています。

 この時は、ライオンが獲物の群れを狙うかの
如くの書き方となっています。しかし、翌日の
日記には、「アリューシャン方面、ハワイ
群島共に、敵飛行機、潜水艦の活動
頻繁にして、緊急信の交信、従来に
例を見ず。

 自主的意図にあらずして、我行動偵知に
基く対応と思考されるかど少なからず。最も
悪しきカードは、輸送船、護衛艦の発見
なり。これにより、ミッドウェー方面に
向かうことを判知し得べし。」と、昨日とは
逆の事を言っています。

 司令部内で、意見が混乱していることを
示していると言えます。


 それと、日本軍は、アメリカ同様に、情報部を
設置し、連合艦隊に編入して情報収集に
あたっていました。

 この情報部は、アメリカ軍の機動部隊が、
行動を起こしていることを察知し、報告
していました。

 しかし、宇垣参謀長の別の日の日記に、
「5月30日以降、ハワイを出港せる算多きは、
同日以降多数飛行機の同方面飛行に依り、
認め得るところなり。」としています。

 少なくとも、宇垣参謀長は、5月30日の
時点で、敵艦隊が出撃し、多数の飛行機を
飛ばしていることを察知していたことに
なります。

 敵は出てこないという大前提が崩れている
にもかかわらず、何もしていないことになります。

 連合艦隊司令部も軍令部も、アメリカ海軍と
比較にならないほど、情報にも、防諜にも
意識が向いておらず、大禍を招いたと
いえます。


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著者:生出 寿
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