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源田実参謀 阿部少将指揮する [源田実航空作戦参謀]

 大火災で指揮を取れなくなった南雲長官は、
7時46分幕僚たちに抱えられ、駆逐艦風雲に
移乗しました。この時から、機動部隊の指揮は、
南雲長官に次ぐ先任指揮官の第八司令官阿部
少将が、しばらく執ることになりました。

 阿部少将は、7時50分、山本長官あてに、
「敵艦攻、陸攻の攻撃を受け、加賀、蒼龍、赤城
大火災。飛龍をして、敵空母を攻撃せしめ、
機動部隊は、北方に退避。兵力を集結せんとす。」
と打電しました。

 同時刻、山口少将は、阿部少将が乗る巡洋艦
利根と、機動部隊全艦に、「我れ、今より航空機の
指揮を執る。」と発光信号を発しました。飛龍艦内
には、「赤城、加賀、蒼龍は被爆した。本艦は、
今より全力を上げて、敵空母攻撃に向かう。」と
通報しました。

 300海里後方にいた大和の司令部は、利根の
偵察機が敵空母発見の報告を受けてから、誰もが
第一機動部隊は、簡単に敵空母を片付け、ミッド
ウェー作戦の主目的は、達成されると確信して
いました。

 宇垣参謀長、黒島参謀らは、何の疑いもなく、
吉報が来ると思っていました。それが、来たのは
大凶報でした。幕僚たちは、ドーリットル空襲を
受けた時以上の、あるいは真珠湾攻撃を聞いた
アメリカ国民以上の深刻なショックを受けました。

 しかし、茫然自失ばかりしているわけには
いかず、主力部隊は、直ちに増速し、味方を
救援することにしました。この敗戦処理に最も
活躍したのは、従来阻害されていた宇垣
参謀長でした。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 用兵が破綻 [源田実航空作戦参謀]

 赤城、加賀、蒼龍は、数発の爆弾を急降下
爆撃で浴びることになりました。この時、
それぞれの空母には、第二次攻撃隊として
飛び立とうとしていた艦上攻撃機や爆撃機が
ずらっと並んでいました。

 さらに、兵装転換により、積み替え替えられた
爆弾が格納庫内に、ゴロゴロしていました。
そのため、自分の魚雷や爆弾が誘爆し、
三艦とも大火災を起こしました。

 雷撃機はかわしやすいが、急降下爆撃は
回避が困難という珊瑚海海戦の貴重な教訓を
無視した当然の結果でした。

 空母を集中配備し、多数の零戦で敵飛行機の
攻撃は阻止できると断言していた、源田参謀の
用兵が破綻しました。

 多数の戦闘機を配置していても、攻撃を
阻止できないばかりか、空母を集中運用
したために、一気に3隻の空母を
失うことになりました。

 赤城と加賀に爆弾が命中した時、源田
参謀は、「残念だが、これしきのことで
へたばってなるものか。まだ二航戦が
いる。」と考えました。

 しかし、直後に蒼龍も被弾し、甲板から
濛々たる白煙が立ち昇っていました。

 この時になって始めて、「蒼龍もやられたか。
これは、大変なことをしでかしたぞ。」と愕然とし、
後どうしていいか分からなくなりました。南雲長官や、
草鹿参謀長ら、機動部隊司令部は、誰も黙って
いました。

 自分たちの判断が間違っていたことを、
やっと悟ったようでした。しかし、悟るのが
遅すぎたと言えます。この後、日本軍は、
敗戦に向かって坂道を転げ落ちていくことに
なります。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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