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源田実参謀 ミッドウェーのデタラメな戦果発表 [源田実航空作戦参謀]

 6月10日午後3時30分、軍艦
マーチ入りで、大本営海軍部が
ミッドウェー海戦の戦果を発表
しました。

 「空母2隻撃沈、航空機120機撃墜。
重要軍事施設爆破。我が方の損害、
空母1隻喪失、未帰還機35機。」
というデタラメな発表でした。

 山本長官は、大本営は真実を発表
すべきだと言っていましたが、ミッド
ウェーの発表に対しては、口をつぐみ
ました。

 もし、ミッドウェー海戦の恐るべき
真相を発表すれば、山本長官は、
英雄から世紀の阿呆に転落します。

 そして、惨めな敗軍の将として退陣を
余儀なくされたと思われます。そうなれば、
栄光ある帝国海軍の威信もガタ落ちになり、
国民に愛想を尽かされるに違いありません
でした。

 そうなっては、終わりだと考えたから、
軍令部の永野総長や嶋田海相も、山本
長官や南雲長官らの責任を問おうと
しなかったと言えます。

 本来は、このような対応は厳禁だと
言えます。

(追記)
 ミッドウェー海戦の本当の戦果と損害は
以下の通りです。

 戦果は、ヨークタウン1隻撃沈。これは、
飛龍と伊168の戦果と言えます。撃墜した
航空機は、艦載機95機と、基地航空機
35機でした。重要施設に対する攻撃は、
滑走路を含めて不十分ということになります。

 損害は、空母4隻、重巡洋艦1隻(三隈)
撃沈。航空機285機喪失。戦死者は3000余名。
その内、搭乗員は、216名となっています。

 日米の国力差を考えると、空母10隻、
搭乗員2000人を失うに匹敵するもの
であり、戦争の継続すら難しい被害と
言えます。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 敗戦責任 [源田実航空作戦参謀]

 6月10日午前8時頃、南雲長官の
機動部隊と、山本長官の主力部隊は、
海上で合流しました。

 連合艦隊司令部に呼ばれた草鹿
参謀長、大石参謀、源田参謀、吉岡
参謀は、大和におもむきました。

 この時の様子を、草加参謀長が語って
います。「山本長官は、単独で私を
長官室に引見された。

 私は戦闘の詳細を報告した後、機動部隊が
期待に沿えなかったことは、我々一同の
責任は万死に値する。

 できることなら、現職のまま今一度陣頭に
立たして頂きたく、長官の特別の斡旋を
お願いする旨を述べた。

 山本長官は終始黙々と聞いておられたが、
その眼底に涙が光るのを見て、私も涙が
流れるのをどうすることもできなかった。」
としています。

 宇垣参謀長は、自らの日記に、「長官室に
下りて、草鹿参謀長らから報告を聴く。
参謀長、“大失態を演じておめおめ生きて
帰れる身に非ざるも、ただ復讐の一年に
駆られて生還せる次第なれば、どうか
復讐できるよう取り計って頂きたい”

 長官は、簡単に、承知したと力強く答え
らる。両者ともに、真実の言、百万言に優る)。」
としています。大敗の責任のとり方は、山本
長官は、草鹿参謀長と同じように考えたよう
でした。

 軍令部の永野総長、嶋田海相も、山本長官や
南雲長官らの責任を問おうとしませんでした。
ミッドウェー作戦の研究会も、開きません
でした。

 このことについて、黒島参謀は、「研究会を
やれば、穴だらけであるし、誰も反省している
ことでもあり、その非を十分に認めているのに、
今さら突っついて屍に鞭打つ必要がないと
考えたからだと記憶する。」と戦後語っています。


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著者:生出 寿
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