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源田実参謀 中島中佐 [源田実航空作戦参謀]

 源田参謀は、中島中佐についても、
以下の評価をしています。

 「千早大尉のメジュロ方面偵察で、
敵の機動部隊が我が国防圏のどこかを
攻撃しようとしていることは明瞭だが、
それがどこかを判断することが、
また容易ではなかった。

 軍令部と、連合艦隊司令部の
幕僚共同研究の席上、中島中佐の
判断は断定的であった。

 “敵の攻撃は、カロリン列島線より
北に寄った方向に向けられる”
というのである。

 彼は、明敏な頭脳の持ち主だが、
その根拠は、どういうものか
わからなかった。

 しかし彼の主張は、正しかった。
卓見であった。」としています。

(追記)
 前回の実松中佐に対する評価と合わせ、
源田参謀が、これらの案を否決していた
ことに、全く言及していません。

 今までの源田参謀の言動からすると、
自分の失敗を隠すために、実松中佐や
中島中佐のことを評価しているのでは
ないかと感じます。

 中島中佐は、ミッドウエー攻略の際も、
的確な指摘をしていますが、これらを
司令部が一蹴しています。

 しかし、ここまでの流れを見れば、
一蹴されるべきは源田参謀であったと
感じます。

 実松中佐や中島中佐、源田参謀と
張り合っていた柴田大佐らを
重用すべきだったといえます。

 日本軍が本来なら実力主義を徹底
しなければならない軍隊において、
年功序列や学歴主義で人事を決めて、
信賞必罰が徹底されていないことが、
このような問題人事になっていると
思われます。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 実松中佐 [源田実航空作戦参謀]

 実松中佐には、以下のような話がありました。

 彼は、アメリカ海軍がマリアナに来ると、
早くから言っていました。しかし、
山本大佐や源田参謀は相手にせず、
中島中佐だけが、熱心に聞きに
来ました。

 源田参謀は、「実松中佐は、断乎として
中部太平洋進攻論を主張し、一歩も
譲らなかった。

 その根拠は、“アメリカ軍は、膨大な
艦艇建造を推進していて、その主力は、
エセックス型空母。

 アメリカ軍が、この有力な空母部隊を、
遊ばせておくはずがない。しかし、大機動
部隊を全幅利用しようとすれば、天象地象と、
作戦海面の広狭などから考えてみると、
中部太平洋以外に場所はない。

 従って、アメリカ軍は、機動部隊の
整備完了次第、内南洋諸島(マリアナ)に
対して、攻勢を開始するだろう。“
というのであった。

 実松中佐は、ワシントンに駐在していて、
アメリカ軍事情や、アメリカ人の基質も
よく呑み込んでいました。

 その判断はさすがに的確で、半年
しないうちに事実となって現れてきた。」
と評しています。

(追記)
 以前紹介しました通り、源田参謀は、
上記の実松中佐の言とは違って、
「カロリンに来る」と強い口調で
言っていました。

 マリアナに来たらどうするのかという
質問について、「そんなことは、航空の
分からんやつが言うことです。」と
足蹴にしています。

 軍令部は、この源田参謀の言を
採用していたため、マリアナに来た
アメリカ軍に対し、後手になったと
言えます。

 上記の評価は、自分が実松中佐の
言を退けていたということを
隠しており、不誠実といえます。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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