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源田実参謀 航空主兵、戦艦無用論 [源田実航空作戦参謀]

 源田参謀が、大学で孤軍奮闘していた頃、
山本長官、大西参謀長、三和少佐、小園大尉
などが、「航空主兵、戦艦無用論」の実現に
奮闘していました。

 大西参謀が主催した「効率的な軍備形態」の
研究会で、大西参謀長自ら、「航空主兵、戦艦
無用論」を、数字を元に熱烈に演説しました。

 概要は、建造を決定した大和、武蔵の建造は
やめて、空母と航空隊を作れというものでした。
大西参謀長は、バックに山本長官がいることを
背景にして、砲術主流の海軍で、度胸満点の
芝居をうったと言えます。

 さらに、大西参謀長は、吉岡参謀らの航空隊に、
1937年4月10日、芝の水交社に集まるように
呼びかけました。

 この席で、「大和1隻1億円かかるが、
鹿屋のような大飛行場でも、格納庫と
燃料合わせて500万円でできる。

 大和と武蔵の代わりに、飛行場基地と
飛行機をおいて、来校する敵艦隊を
やっつけるべきだ。費用に余裕が
あれば、空母を作れ。」と話して
いました。

 聞いていた吉岡参謀らは賛同しました。
しかし、まもなく、砲術出身将校の杉山少将に
呼ばれ、「軍令部総長の言葉として、戦艦
無用論を言うようならば、海軍をやめてもらう。」
と言われ、命令に服するしかありませんでした。

(追記)
 上記の軍令部総長というのは、伏見宮博恭
元帥です。この人物は、皇族でありながら、
昭和天皇の意思を無視していた問題人物
としか言いようがありません。

 しかしながら、戦艦無用論が空論であることは
間違いなく、大西参謀長の集まりにも問題がある
ことも事実です。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 答申書 [源田実航空作戦参謀]

 大西参謀長の手紙や講演を元に、
源田参謀は、奇想天外な答申書を
提出しました。

1. 海軍軍備の中核は、基地航空部隊と、
  母艦航空部隊とし、潜水艦部隊を持って、
  これを支援せしめる。
2. これらの部隊の戦闘力を有効に発揮し、
  かつ、敵の奇襲兵力による攻撃を阻止
  するため、必要な補助部隊として、若干の
  巡洋艦と駆逐艦などを保有する。
3. 戦艦、高速戦艦などの現有主力艦は、
  スクラップにするか、繋留して桟橋の
  代用にする。
というものです。

根拠として、
1. 戦艦部隊は、航空部隊によって、大損害を
  受けるのが常だった。
2. 対空砲火は、戦技成績を見ても、飛行機の
  攻撃力に劣る。比較的有効に阻止できるのは
  戦闘機ぐらいであるが、航空軍備に重点を
  置けば、戦闘機が優勢となる。
3. 飛行機と潜水艦を主力として艦隊を編成する
  ならば、アメリカ軍は、何を目標に攻撃するのか・
 というものです。

 同期学生の末国参謀は、「源田参謀が
書いたのは、罫紙10枚位だったが、
同期生とは、殴り合いをするばかりの
激論を何回かやった。

 反対者は、航空戦だけでは詰めができないと
言っていました。源田参謀は強すぎるぐらいの
自信があるので、考えを通すと言って譲らな
かった。恩賜を受ける一要素になっている。」
としています。

 実際の戦争を見れば、航空機と潜水艦だけで、
敵艦隊を殲滅することは、よほど圧倒的な戦力で
ない限り不可能であるというのが実態であり、
源田参謀の理論は机上の空論ということに
なります。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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